第111話 貴族科の1時間目終了


そして1時間目が始まった。


「それでは貴族科の授業を始める。」


「はい。」


「今日は貴族のやっていい事とやってはいけないことについての勉強をする。」


「貴族って何でもやっていいのではないのですか?」


「違う。貴族にもやってはいけないことはある。」


「何ですか?」


「例えば人を殺すことだな。他にも王国に対する反逆行為や、自分よりも上位の貴族に対する暴言なんかがある。」


「それ以外は?」


「基本的には平気だな。しかし度が過ぎればだめなことがあるがな。」


「奴隷についてはどれほど平気なのでしょうか?」


「何人買ってもいい。しかしちゃんと管理できなきゃだめだし、ちゃんと食事を与えないのもだめだな。ただしこれについてはあまり入念に調査ができないため、隠れてやっているものがいるかもしれないしな。」


「そうなのですね。」


「他にも市民から無理な税金を巻き上げるのもだめだし、無理な命令をすることもだめだ。」


「結構制限が多いのですね。」


「ああ、貴族はやっていいことが多い分、制限も多いのだ。」


「領をもらっている貴族の特権はあるのですか?」


「ある、領地の中では自分で法を作ることもできるが、作ってはいけない法もある。そもそも領地内では自由だったらさっき言ったことを秘密でやられてしまうからな。」


「そうなのですね。」


一人の生徒がずっと貴族のことについて質問をし続けていた。


「それでは他のやってはいけないことも言っていくぞ。」


そして先生は他のやってはいけないことについて、細かいところまでを1時間かけて説明してくれた。


「それじゃあ今日の授業はここまでだ。」


「はい。」


「それじゃあこの後の授業がない奴は解散だ。」


先生がそう言うと、授業のない人はさっさと教室から出て行って、授業がある人は次の教室に向かっていった。


「アイン君。」


「あ、セシリア。」


「1時間目が終わったよ。行こうよ。」


「分かったよ。」


そしてセシリアに連れられてアインは2人とも合流した。


「あ、アイン来たわね。」


「うん。」


「それじゃあ行きましょう。」


そして4人は街に向かっていった。


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