55. 早起きは三文の徳




 最低気温が0度を記録したこの日、微妙な時間に目が覚めた。


「5時44分……起きるには早いけどもう寝れない…」


 寒すぎて出られない。もういっそこのまま寝坊して8時くらいに目覚めたい。


 そんなことを思いながらスマホを手に取ると、隣で動く気配を感じた。


「ふや~ん……」


 まじか。もう起きたのかー!寒すぎて目が覚めたのか?いやちゃんと毛布もかかってる。なになに、ここは寝たふりして過ごすべき?いっそ起こしちゃう?


「ふぅーん…えー…」


 そっと確認すると目は閉じられている。つまりこれは寝言!よかった、さすがにこの時間にグズられるのは辛い。


 背中をゆっくり撫で、体を近づける。体温を感じれば安心してぐっすり眠れるかもしれない。


「…きゃきゃー…きゃきゃ」


 なんと、寝言でわたしを呼ぶのか!これは…


「かわいすぎる…!お父さんに伝えねば…!!」


 しっかり目が覚めた。

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