第73話 縁起のいい夢よりも
あけましておめでとうございます、あっという間に2019年、元日です。
「ひゃあ~」
「あ、はいはい、今いくよー!」
母親という生き物に正月休みというものはなく、今日もいつも通りの時間に起床、身支度を整えつつ、起きたちいちゃんを抱きしめに行く朝。
その朝がいつもと少し違うのは、年末年始ということがあるのだろうか。
「あ、ごめん起こしちゃった?」
「ん?平気ー、ちいちゃん泣いてたから~」
この年末年始の休暇で夫が久しぶりに帰宅した。
ちいちゃんが泣いたとき駆けつけてくれる人がほかいるというのは、心の余裕が全然違う。
毎朝、ほぼ決まった時間に起きるちいちゃんを抱きしめなだめるために起きる夫。
…こんな普通の家族のような日を過ごすときが来るとは。
「今朝ごはん炊いてないから餅だよ、何個食べる?」
「え~、まず2個かな~」
わたしにとって、なんでもない会話を次の日もこうして交わすことはなんだか特別。
「ん~、む~」
ちいちゃんが夫の腕の中にいるのも、それをお布団まで迎えに行くのも、普段はけして味わえない、大切な時間。
「ちいちゃん、あけましておめでとう、今年もよろしくね~!」
今年も、目まぐるしくも良い年になりますように。
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