第72話 クリスマスが今年もやって来る
クリスマスツリーを飾るのは危険と判断した我が家は、壁にオーナメントやガーランドを飾ることにしました。
「100均で造花とかオーナメントを買って、麻紐でガーランドを手作りしよ」
白、茶をベースに、淡いブルーやグリーンを差し色にしてるナチュラルな雰囲気の内装は、祖母の忘れ形見。それを邪魔しないオーナメントで、クリスマスを娘に感じてもらいたい!
「よーし!ちいちゃんが寝てる隙に作るぞー!」
ブラウン系のラメのオーナメントや、まつぼっくり、赤のクリスマスっぽい造花が白い壁に映えてかわいい。
「これでクリスマスってわかるかな…いつもと違うってことがわかればいっか!」
娘が起きるのが楽しみでたまらないなんて。いつもは、この隙にお菓子ー、家事ー、と頭の中がいっぱいなのに。
「ん…」
「あ、ちいちゃん、おはよう~」
まだ眠そうにぼーっとしている娘を覚醒させるため電気をつける。
「…んー」
「ん?」
「んー!んー!」
ちいちゃんが急に手をのばし始めた。その先にあるのは、照明のおかげでキラキラする壁のオーナメントだ。
「ん、ん!」
「ちいちゃん…ほしいの?」
届かないよう、ストーブのある壁の上部に設置したため壁の下やストーブガードのあたりをうろうろ。
「あっ、あっ、んー!」
「ね、かわいいでしょ?クリスマスだからだよ」
一生懸命見上げる姿に、わたしも嬉しくなった。
「近くで見てみる?」
抱き上げ、娘をオーナメントの近くへつれていく。
そっとオーナメントに触れ、手を離すと嬉しそうに手を振り「んー!んー!」とご満悦。隣、また隣と、ひとつひとつ優しく触っては喜びを表現する。
「そんなに喜んでくれると思わなかったよ~」
「あー…ん!」
ブチッ!!!
「アー!」
「…………….」
オーナメント、もがれた………。
※このあと一部取り外し、寝ている間に接着剤等を用いて善処しましたが、及ばず、作り直すこととなりました。
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