第65話 夜にひとりでひっそりと?





「うーん……」



 はっと気がついて、わたしはとても驚いた。



「あれ?」



 膝の上に横抱きしたちいちゃん。すやすやと眠っている。


 でもいつの間に?だっこした記憶も泣いた記憶もない。そもそもなんで目が覚めたんだろう?



 とりあえず娘を寝かせて横になる。時刻は0時30分。まだ寝てから一時間すこし。このあとも何回夜泣きで起きなければならぬかわからない。


 すぐに眠りについたわたしは、結局朝までに数回、夜泣き対応をした。



「今日もよく泣いたなぁ」



 寝不足が続き、お昼寝のときにいっしょに寝ることもできず、わたしも疲れがたまっていた。



「昨日は結局何回起きたんだっけ?」



 たしか5時と、3時と、1時……あれ?そういえば0時にも起きたな。あのときって泣いてた…?



 え、あれ?そもそもなんでだっこしたの?なんで起きたの?ん?




「…え、こわ」




 よーく思い出せ!




「……だめだ、泣いてたような気もするし、起きてだっこしたらすぐ泣き止んだから自分も寝ちゃってた気もするし、起きてない気もするし……」




 …………。




 え、自分こわ。

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