第66話 ちいちゃんは冬仕様になった!





「今日はお天気いいし、今のうちに冬物のトップス買っとくよ!」



 トップスは食べこぼして汚れてしまっていたり、ぶつぶつが出てきてしまっていたり…傷みが激しいので、早急に必要なのだ。



 車で20分ほどの某有名ベビーキッズ衣料品店へ行き、かわいい冬物ベビー服に目を奪われた。



「か、かわいい!これもかわいいしあっちも!ちいちゃんに似合いそう!」



 もちろん小声ではあるが、あまりの可愛さに娘にかわいさを必死に語りかけた。


 もともと、娘の服はそれぞれのシーズンごとにまとめ買いをしていたため、前回の買い物から約3ヶ月ぶりだ。秋物は買い足しもしなかったため、いっきに冬を感じる。



 もこもこのボア素材、明るいベロア、刺繍にドッキング……。



「女の子の服ってかわいいな」



 だっこされながらうとうとする娘に、しめしめ…。これでゆっくり選べる…!



 そのあとはお財布と相談しつつ、チュニック2着とボアトップスを購入!



「これから毎日順番にきーせよ」




 ──と楽しく思えたのはすぐに終了した。




「ちいちゃん!なんでそのチュニックもう毛玉なの!?ぶっつぶつ!」


「ちいちゃん!!どこから持ってきたのその油性ペン!!」


「ちいちゃんんん!!!ヨーグルトぶちまけたなああああ!!!」





 このとき、母の言葉が頭をよぎった。


『子供服なんてすぐ着らんなくなんだて』



 …おっしゃる通りで。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る