九十カウント目:決意と別れ


「ユーリ少しの間だけ眠りについてくれ、私がその時を迎えるのはもう近い。世界の崩壊を止めるための歯止めは残しておかなければいけない」

「私に止められるんですか?」

「創造神の名はユーリ・アスタルテ、しかしその神名は二つに別けられ。私と君は二人で一人の創造神というわけだ、ならどちらかが生きていればいい」


考えが甘いかも知れない、主軸になっているのは元々の創造者であった私だろう。

私が消えたら、消滅する可能性はある。

主軸が無くなりユーリが支軸になるか、それとも極小のいつ壊れるかわからない不安定な主軸になるか。

どちらにせよ、保険を掛ける必要はあるかもしれない。


「永きの眠りにつけ、また会える事を楽しみにしている」

「はい、アスタルテ様」


封印用の巨大決勝の中へ、時が遅くなったようにスローモーションでユーリが封じ込められて行った。

さようなら、もう合うことのない大切な人よ。

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