第6話 東雲コンツェルン・ホールディングス御曹司東雲和寿VI

「へぇー…。次は、むっつりか。むっつりは、化粧品メーカーのワルドヴァを有する近衛沢コンツェルンの御曹司だよ。夏渚が付けてるフルーツの香水とか、フルーツのグロス等は、全てむっつりの会社の系列会社の商品だよ。」

「へぇ〜。」



「夏渚は、茶道の、光仙流こうせんりゅうの女家元。」

「えっ!?そうなの!?」



「うん。で、野乃花と奏音は、花道で有名で、野乃花は、瑞泉流ずいせんりゅう、奏音は、神楽流かぐらりゅうの女家元。柚斗は、携帯など電子機器メーカーONOSEのCEO。新作発表の時忙しいんだよね。あいつ。」

「流派分かれてるんだけど!?」



「あぁ。花道ね。男性に人気なのが瑞泉流。逆は、神楽流だよ。」

「そうなんだぁ〜………。」



「花道挑戦したいの?奏音に頼もうか?」

「へっ!?」



「うん。どうする?」

「いや確認だけだから。」



「そうなの!?」



「うん。あっ。そう言えば、学校でさ?私が授業中の時、何してるの?」



「仕事。俺と柚斗、朔はね。夏渚は、茶道。戒は書道、野乃花達は、生け花とか。環は絵画書いてたり。」

「そうなの!?」



「うん。株価指数チェックしたり、系列会社商品の売れ行きとか新作予定のメニューの原価チェックとかしてるよ。趣味でオークション観察とか。あさってからは、葵桜アリスの会社のもチェックしておく。明後日、業務提携の締結書持って行くね♪」



「あっ。うん。ありがとう。あっ。そう言えば、はいっ。これ。藤原コーポレーション株式会社の系列企業の一覧表。部門別で分けてあるはずだよ。」



と、私は、言い、和寿に藤原コーポレーション株式会社の系列企業一覧表を渡した。



「ありがとう。フムフム。外食が揃うね。洋食は、東雲コンツェルンで、和食は、藤原コーポレーション株式会社で賄えるね。ん?あっ!?」

「どうしたの?」



「食器を買ってるグローバル・テーブルウェアって、葵桜アリスん所の系列会社だったんだ!?」



「そうだね。ウチのGUTS!寿司って知ってる?」

「うん。回転寿司のGUTS!寿司だよね?」



「うん。そこで使ってる小皿なんだけど、グローバル・テーブルウェアから仕入れてるわけ。プラスチックの小皿なんだけどね。欠けてたりしたらその枚数、藤原コーポレーション株式会社に連絡してもらってそれからグローバル・テーブルウェアに連絡するわけ。」

「へぇ〜。そして?」



「グローバル・テーブルウェアから藤原コーポレーション株式会社に輸送して貰って、GUTS!寿司へ必要な枚数を送付するわけ。」

「そうなんだぁ〜。あっ。そう言えば、グローバル・テーブルウェアの商品って一般庶民買えたっけ?」



「買えるよ?佳奈ちゃんのお店で。ちょっとお高いけど。10枚セットで5万円弱。 取引先だもん。思い出したんだよ。今さっき。」

「んえっ!?」



「他にその資料から気になるのある?」

「えっとね~………宿泊施設もあるんだぁ〜………。」



「うん。海外の方に85万軒のホテル、日本には、25万軒の旅館持ってるグループ、グローバルグループだね。がどうかした?」

「別荘とかないのかよ!?」



「別荘………!?無いよ!?富豪でも和寿達みたいにいっぱい別荘持つ程大富豪じゃないよ?」

「えっ!?!?」

「うん。ぽっと出の富豪だよ?私は。」



「こんなにも系列会社があるのにぽっと出の富豪はないよ?」



「ほへっ!?」

「あっ。佳奈達、帰るの?んじゃまた明後日な!」



と、和寿は、言い、観覧車乗り場付近のフードコートから帰ろうとした佳奈ちゃん達に挨拶をし、私と二人きりになった。



「さて、行こっ?葵桜あーちゃん!」



と、和寿は、言い、私の右手を掴み、水族館デートを終えた。



-数分後-



「東雲和寿様ですね。こちらになります。」

「ありがとうございます。あっ。そっか、代金支払ってたんだ。」



「わぁー。綺麗。私につけさせて。」

葵桜あーちゃんが付けんのかよ?」

「違うよー!和寿が付けるの!左手の薬指出して!」



と、私は、言い、和寿の左手の薬指に虹色に輝く結婚指輪を通した。



「綺麗。」

「良かった。ピッタリだし。ありがとうございます。」



と、和寿は、言い、宝石店を後にした。



「受け取りも終わったしどうする?」

「んじゃぁ…俺の会社東雲コンツェルンに行く?潮香も待ってるし♪」

「うん。探検してみたい!」

「決定!んじゃ車に戻ろうか。」



と、和寿は、言い、駐車場へ向かった。



-道中-



「そう言えば、葵桜あーちゃん。ドーナツ屋持ってんだね。」

「あっ。うん。タルトだね。どうかしたの?」



「俺の会社コンツェルン・ホールディングスの社員がタルトのドーナツが美味しいって言ってたから。ちょっとびっくりしてさ、今見つけて。」

「そうなんだぁ〜。」

「うん。」



「普通のドーナツ屋だよ?」

「えっ!?そうなの!?まっ。良いや。俺の会社なんだけどコンツェルンビルとホールディングスビルの2つのビルが25階と36階の渡り中央通路で行き来自由なんだ。」



「じゃぁ、社長室は?」

「36階の渡り中央通路………つうか渡り中央広場の東側にあるよ。」



「えっ!?そうなの!?」

「うん。」



「お坊ちゃま。葵桜アリス様。着きました。」

「ありがとう。終わったら連絡するからよろしく♪さぁ行こっ。」



「あっ。ありがとうございます。」



と、私は、言い、和寿に右手を引かれ、和寿の会社コンツェルン・ホールディングスビルに入った。



-数分後-



「わぁ~でかぁい♪」

「そっかぁな?まっ良いや。」



「でかいよ?そして、1階が広い!」

「まっ。ココが総合出入口だから。」



「そうなの!?」

「うん。ほらあそこのエレベーターに乗るとホールディングスビル。ここの角を左折して突き当たりのエレベーターに乗るとコンツェルンビル………つまりこのビル。ってわけ。」



「へぇ〜。」

「このビルの上の階には、それぞれの飲食企業の営業部・開発部だったりキッチンとかがあったりするよ?」

「ほへっ!?」



「うん。普通に会議室は、あるよ?18階に。」

「へっ!?」

「一応、2部屋かな?ひとつは、取締役会用の会議室、んでもって、グループ用の会議室だね。」



「多くない?」

「足りないぐらいだよ?」

「そうなの!?」



「うん。あっ。ココが俺のいつもいる社長室だよ。入る?」

「良いの?」



「うん。つか、俺の妻なんだからさ?つか、今俺と一緒に居んだろ?入ろうぜ。」



と、和寿は、言い、社長室の扉を開けた。



「うわぁ。広い!綺麗。わっ!!怖!!」

「ヴィネチア・サンティガウロっていう有名画家の絵。35億円で買った。オークションでだけどね。」



「へっ!?オークション!?」

「うん。趣味でね。お菓子狩りの前とかにやってて戒に怒られたりする。」



「そりゃあね。」

「そりゃあそうか。 あはは。」



「うん。そうだね。話は、変わるけど嗜みとして花道やってみたいかなとは、思うよ?」

「ならやってみる?」

「それとこれとは、別。」



「えぇ〜!?何でよ!?」

「難しそうだからいいかな♪」



「簡単だよ?」

「でも良いよ。そう言えば、話は、変わるけど、晩御飯は、どうしてんの?」



「晩飯?今日は、家だよ?」

「えっ!?そういう事じゃなくて。家で何食べるの?」



「あぁ。そういう事ね。今日の晩御飯のメニューっつか3つの料理から選ぶスタイルだよ?」

「そうなの!?」



「うん。今日は、イタリアンとフレンチとドイツ料理かな。」

「へっ!?」

「おぅ!イタリアン食おっと♪葵桜あーちゃんは?」

「家で決めていい?」

「うん。良いけど?」

「何かな〜?メニュー。」



「鮭のムニエル。と、ボロネーゼパスタ。そして、薄く伸ばしたカツレツ。」

「私もやっぱり今、決めていい?」

「うん。良いけど?」

「私もイタリアン食べたいな。」



と、私は、和寿を見つめながら言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る