第3話 東雲コンツェルン・ホールディングス御曹司東雲和寿Ⅲ

「母さんめ!愛しの葵桜あーちゃんの電話番号知っていやがった!」

「この前、義母さんと会った時に教えてたんだけど………忘れてたや。」

葵桜あーちゃん!?もう!葵桜あーちゃんが犯人かぁ………。」

「ゴメンね?」

「いやいいよ。明日。区役所行こ!ね?」

「うん。良いけど土曜日だよ?空いてるの?」

「と思うけど公務員じゃないけどね対応してくれる人。」

「そうなんだぁ………。」

「その後、水族館行くよ。」

「あっ。そうだね。お弁当作っとくね♡」

「うん。でも無理しないでね?」

「無理って………まっ。和寿が美味しく食べてくれるように頑張るね♡」



と、私は、恍惚の顔で言った。

その数分後和寿がお会計してくれた。



-車内-



葵桜あーちゃん♪愛してるよ♡」

和寿ダーリン♡私も愛してます♡今日は、ごちそうさまでした♡」

「お粗末さまでした♡明日なんだけど8:30に迎えに行くね♡」

「うん。待ってるね♡」



「そうだ。さっきみたいに長いキスする?」

「うん。しよっ?どうせ結婚するんだから、子供欲しいなぁ♡和寿の子供♡」

「作る?車でだけど♪」

「うん。しよっ?」



と、私の声で私の家に着くまで子作りイチャイチャをした。



-数分後-



「ただいま帰りましたぁ。あのぉ………明日から和寿君の家に住んで宜しいですか?」



「その事ね。さっき和寿君のお母さんから電話があったのよ。」



「何と?」



「明日、葵桜アリスが和寿君と婚姻届出したら一緒に住んで欲しいって電話だったのよ。」



「お母様は返事は、何と?」



「もちろん快諾したわよ。寂しくなるけど。」



「お父様は!?」



「お父様も快諾したわよ。お父様は、藤原財閥を継がせると言っているからお父様の所へ行きなさい。今、書斎の方にいるから。」



と、お母様は、言い、私を書斎の方へ連れて行く様、執事の朝家に命令をした。



-道中-



「朝家、もう風邪は治った?」

「はい。お嬢様。迷惑とご心配かけて申し訳ございませんでした。」



「いえいえ、こちらこそ、本当の愛に気づけたから………。」

「とうとう、あんなに小さかったお嬢様がご結婚なされる日が来るとは………。」



「アハハ。どんなに小さかったの?小豆みたいな小ささ?」

「お嬢様…。そんなに小さかったら人間ではございません。」



「冗談だよぉ~!!」



冗談なのに、まじめに返すんだもん。全く…執事のかがみだよ!!朝家アサヤは。でもそんな朝家の事が大好きだ。和寿の次だけど…。

そんな、朝家アサヤとの出会いは、和寿に一目惚れをする小1の春…3月まで遡る。私は、その頃5歳。朝家は18歳。朝家は、某有名私立執事養成高校を卒業し、即我が家藤原財閥に雇われたという鬼才執事である…。3週間、風邪を引くが………。



「朝家。あのね…。私………。幸せになるね………。」



と、私が涙を零しながら言うと、お父様の書斎に着いた。



「では。私はこれにて。」



と、朝家は、言い、一礼をした後、そそくさと私から離れて行った。

それを見て、父の書斎の扉をノックすると、父が、入れと、言い、私は、それに従い入室した。



葵桜アリス………。明日………、婚姻届出すのだな?それと同時に藤原財閥………藤原コーポレーション株式会社を継いでくれ。一応筆頭株主藤原葵桜兼代表取締役社長だな。」



「代表取締役社長かぁ…。私筆頭株主だよ?良いの?ワンマン社長になっちゃうけど?」



「そうならない為に儂や取締役があるんだ。一応、他のメンバーは知っている。」



「他の株主さんたちがなんか言わない?」



「お前が全株式の89%の所有者だろうが!宜しくな。」



「あっ………はい。じゃぁ…私の名字が変わったらダメじゃぁ………。」



「その件も伝えてある。取締役会でも承認されたから気にするな。」



「はいっ………。」



「話は変わるが…これを見てくれ…。さっき見つけたのだ。小さい頃のお前の写真…いつ見ても可愛いなぁ~♡あっ。この写真。和寿君と手ぇ繋いでいる写真………。これは、遠足の写真。これはぁ~………。」



と、お父様は、アルバムを広げ、小さい頃の私の写真を説明をしながらいろんな枚数見せてくれた。



「お父様、私………。お父様の子供でよかった。幸せです!」



葵桜アリス………。結婚式まで一緒に暮らして良いのだが…?」



と、お父様は、涙を流している私を見つめて言った。

お父様その心遣いは有難迷惑です。私の深い決意が鈍りますのでやめてください。



葵桜アリス。ちょっと良いかしら?」



「はい?お母様。では。お父様。結婚式の時に…。」



と、私は、言い、涙を拭った後、お父様の書斎を出て、お母様の所へ向かった。



-数分後-



「明日、和寿君と、デートしてきます。水族館デート。」



「デート!?」



「はい。」



「ならその最中、朝家と鬼柳キリュウ真下マシタ真神マガミの3人のメイドを東雲家に送るわ。貴方の制服500着と、私服の9万着。そして必要不可欠な生活必需品、持って行かせるわね。」



「あっ。はい。」



と、私は、言った。

鬼柳・真下・真神のメイド三人組は、私が産まれてすぐ雇用されたメイドで、朝家と同じで某有名メイド養成高校を卒業し、即我が家藤原財閥に雇われた鬼才メイド三人組なのだが、仲良しすぎて仕事ができてない節がある。メイド長の奈倉七菜香ナグラナナカさんに怒られているのを見た記憶がある。朝家の一つ年下に当たる。



「これからもよろしくお願いいたします。お嬢様。」

「はい。でも、奈倉さんより怖いからよろしくね♪帰りたいって言わないでね?怒られるのは私もだから?良い?」

「分かりました。」

「私より怖いですよね………。和寿様のメイド長の後藤蔵ゴトクラさん、私でも怖気づくほど怖いですからね。」



と、奈倉さんは、ぶるぶる震えながら言った。

奈倉さんは、私が産まれる5年前からいるらしい。年齢は30代手前で、メイド長という役職に就くという鬼才メイドの彼女が怯える程の人間がいるとは…。私?後藤蔵さんとは面識ある。



「七菜香さんも一緒にぃ~………。」

「私はメイド長です!!!行けません!!!」



と、奈倉さんは、はたきで真神さんを叩いた。

痛いですと言いながらちょっとMっ気がある真神さん。



「私、明日の準備あるので部屋に帰ります。この服…どうっすっかなぁ~…。」

「お嬢様、ビニール袋を渡しておきます。入浴前に入れてください。そうしたら私が持って行きますので。」



と、真下さんは、微笑みながら言った。



「よろしくお願いします。」

「貴方達3名、これまで我が愛娘、藤原葵桜フジワラアリスのメイドをありがとうね。これからは東雲葵桜シノノメアリスのメイドとして頑張りなさい。諦めないで頑張ってね。信じているわよ。」



「はい!」



と、鬼柳さんは、言い、私の部屋まで送った。



-数分後-



「鬼柳。これからもよろしくお願いします。」



「お嬢様。こちらこそこれからもよろしくお願いします。」



「鬼柳達も自分の着替え持っていくんだよね?」



「はい。持っていきますよ?」



「デート楽しみだなぁー♪水族館デート♪」



「水族館デートでございますか!?」



「えぇ。そうよ。区役所行ったあとに。」



「なぜ、区役所に行ったあとですか!?」



「えっ?」



「何故ですか?」



「初デート?だからですかね。」



と、私は、子どもっぽく笑いながら言うと私の携帯が鳴った。



「誰だろっ?あれっ!?和寿!?」



「お嬢様。和寿様が困ってしまいますよ?」



と、鬼柳は、言い、私に電話に応答するように、お願いした。



「もしもし?和寿君?どうかしたの?」

葵桜あーちゃん?遅ぇーよ!早く電話取れよ〜。こちとら仕事の電話をしないで愛する葵桜あーちゃんの声が聴きたくて電話したんだよ?」

「ん?仕事を優先しなさいよ!!」

と、私は、言った。

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