この素晴らしい日常に祝福を!
アイリスとレインと名乗った女性2人。
アクセルの町という、聞いた事のない町の名前。
たまにお父さんが言う「アクア」「ダグネス」「めぐみん」という単語。
お父さんたちは何か隠してる。そうに違いない。
あぁエリス様、私はどんな秘密に足を伸ばしてしまったのでしょうか。
▼
「「あっ」」
「なに…それ…」
「あっあのだねこれは…」
めぐみんに肩を掴まれた。
「…もう、打ち明けましょう?カズマ」
ちきしょう、いつもは出さねぇ声出しやがって。
「…わーったよ。火霖、そこに座って」
「はい」
いつもとは違う空気。俺から見ても火霖が緊張しているのが分かる。
「火霖、今から話す事は紛れもない事実だ。だが、これを話してしまうとお前はきっと混乱してしまうだろう。だから最後まで聞く覚悟はあるか?」
「うん。ここまで踏み込んじゃったんだから、最後まで聞かないと。」
「…じゃあいくぞ」
「まずずっと一緒に住んでた天津、恵、輝菜は異世界から来た。」
「えっ?」
「そして俺は1回死んでる。そして異世界に転生された。そして転生先の世界でこいつらと出会った。最初にいた町はアクセルと言った。まぁ駆け出し者の町で、案外に小さかったんだよなぁ。そしてそこでなんやかんやがあってアイリスに出会った。アイリスには本当の兄がいる。でも兵士として、魔王軍との戦争の前線にいて、帰ってこない。そんな時に俺と出会って俺を兄のように慕い、想ってくれた。そんな中、とうとう魔王ご本人と戦うことになった。」
「ちょっ…」
「そして倒した。まぁめぐみんが最後持ってったんだけどね。んで、少し話が変わるが、エリス様って覚えてるだろ?」
「…うん。いつかお父さんが困ったことがあればエリス様っていう神様に祈れば大概なんとかなるってやつ」
「そうそれ。エリス様ってのは向こうの世界の国教の1番偉い神様なんだけど、エリス様から、魔王を倒したから願い事叶えてあげるよってクリスみたいな口調で言われたんだよなぁ…それはさておき、そんとき俺は『あいつらに、1回俺の故郷を見せてやりたい。俺はここで本当は生きていたってことを打ち明けたい』って言ったらみんなで永住できるっていうからこうなった。どうだ?理解できたか?」
「(゚∀゚ )アヒャャャャャャ(˙◁˙)(困惑)」
「「「「あっ」」」」
火霖が俺らが考えてた方向と真反対に壊れた。
「だ、大丈夫か?火霖」
ダグネスが火霖に近寄ると、
「今ほんっとに頭がこんがらがってりかいしきれてない…でもお父さんがこんなに真面目に話すんだもん。信じるしかないじゃん。」
「そうか…」
▼
「ちょっとカズマ!お酒なくなっちゃったじゃない!買ってきなさいよ!」
…今晩もこんな感じです…察してください。
「お前が飲みすぎてるからだ!俺の分の缶チューハイまで飲み干しやがって!あれでも俺の少ない楽しみなんだぞ!」
あの緊迫してたのかしてないのか分からない会話から数日経ちました。お父さんの骨折は天津さんが治しました。凄かったです(小学生並)
「うわぁぁぁぁぁん!またカジュマさんがバカって言ったぁぁぁぁぁ!」
はぁ…変わんないなぁ。
でも、それでよかった。
ううん、変わらないのが最適解だと思う。
これからもずっと、
ずっと
ずっと
こんな生活が続くんだと思えて幸せ。
もう少しはこの少し変わってる家族の輪っかの中にいようかな…
このおかしくも素晴らしい家族たちに感謝を!
この素晴らしい日常に祝福を! 音月 凛 @rapido0516
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