この素晴らしい日常に祝福を! #2
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ダスト、不動産屋のおっちゃん、サキュバスのお姉さん方たち、元気にしてますか?
私は故郷で仲間と仲良く暮らしてます。
「な、なぜアイリス様がここへ!?」
最近娘が部活で部長になったとか言ってました。いやぁ、娘が成長する姿は感慨深いものがありますね。
「なぜアイリスがここへ!?」
ここで一個お願いします。
「私、レインもアイリス様の付き添いで来ましたぞ!」
この無駄なの帰らせてください!
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「お兄様!アイリスがやって参りました!」
爆弾が投下された。
「お兄様がこちらの世界におられるとエリス様からお聞きしたので、物理的交渉(パッド取り上げ)でこちらに滞在出来るようになりましたの!」
物理的交渉(パット取り上げ)の時点で、さすが我が妹。ドラゴンスレイヤーの称号貰ってからやんちゃになっちゃったなー。…俺のせいだけど。
「大きくなったなーアイリス。お兄ちゃん嬉しいぞー。…てかこっちに来て大丈夫なのか?仮にもアイリスは姫様なわけだし…」
「大丈夫です!このために…」
「私、レインもアイリス様の付き添いで来ましたぞ!」
「邪魔なので帰ってください」
「ひ、酷いぞ!和真殿!私は姫様のことをおま…」
「ついてきてあーんなことやこーんなことする気でしょう?」
「……」
当たっちゃったよ。黙っちゃったよレインさん。もう少し何か口実作ってこっち来なさいよ。
「こんなレインは放っておいて、行くとこが無いので、ここに居させてください!お兄様!」
レインが「あぁん!放っておいてって!」と奇声を上げて後ろへ仰け反って身悶えした。やっぱ変態じゃんこの人。
「まぁいいよ。ちょうどアクア達が面倒くさくて困ってたとこだから、ベビーシッターが来てくれて嬉しいよ」
「ちょっとカズマさん、私面倒なの?ねぇ、面倒なの?最近火霖が拾ってきた犬より面倒なの?私最近迷惑かけてないじゃない!あんまりよ!私をもっと大事にしなさいよ!崇めて奉りなさいよ!」
「何言ってんだクソ女神!てめぇの酒代で我が家の財政がピンチなんだぞ!崇めて奉ってやるから、近所のあの寺に住みこみな」
「やめてカズマさん!あそこだけはやめて!あそこ臭いし、人こないし、なりより怖いの!やめて!ごめんなさい!」
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「…何が起きてんだ…」
こんな混沌とした現場を見て火憐がボヤく。「ってか誰?この人…(゜д゜)はっ…まさか浮気?」
「本当に今までありがとうございましたカズマさん。離婚届けにサインを」
「おい!恵!お前は事情知ってるくせになんてこと言い出すんだよ!浮気でもねーよ。俺の妹。い、も、う、と!」
「あれ?でもお父さんって兄妹弟だけだったよね?」
「あれは幻想だ」
「じゃあ私がその幻想をぶち壊してあげるわね」
「やめてくれアクア様こっちではバレちゃダメなんですなんでもしますからそれはやめてください」
…ほんとなんだこれ…
「ん?今なんでもするって言ったわよね?じゃあ今度スピタリスをワンダース…」
『ゴツッ』
「てめぇ少し俺が下に出たからって調子乗ってんじゃねぇ!スピタリスなんて高価で危険なもの買えるか!」
「わぁぁぁぁぁぁん!かじゅまざんが殴っだぁぁ!」
「あぁほんとに2人ともうるさいです!黙っててください!」
お父さんがいつも通り折れたと見せかけて天津さんにゲンコツした…
「「…あははは!」」
いきなり外国人らしき妹?と変態の2人が声をあげて笑った。
「本当にお兄様はあの頃から変わりませんね」
「本当にそうですな」
この2人はあの4人の何を知っているのだろう、ふとそんな事を考えていた。
「お2人はうちの両親プラスαたちとどんな関係なんですか?」
気がついたら声に出ていた。
「私とお兄様の関係ですか?そうですねぇ…」
「あっアイリス、ちょま…」
「私はほんとはお兄様たちとは身分上、とてもかけ離れた存在でした。なのに初めて会った時なんて失礼なんて知らねぇ!みたいな感じで接してくれたお兄様がとても新鮮に感じられて…本当に大好きだったんです!」
アイリスという女性が屈託のない笑みを浮かべてそう言った。でも場は凍りついた。
「…やっぱりカズマさん、不倫だったんですね見損ないました」
「はぁあ!?何言ってるんだよ!アイリスとなんてなんもねぇよれ」
「え…?なんも無いんですか…?」
メキメキメキ…
あぁお父さんの骨が折れる音がする…
…バキィ
「あぁぁぁぁぁぁぁん!」
あーあやっちゃった…
「アイリスとなんて、いつかのアクセルの屋敷以来だったのに…」
「お、おいカズマ!火霖がいる時にアクセルの町の話は…」
「「あっ」」
お父さんとお母さんが同時に反応した。
アクセルの町ってなんなんだろう。
アイリスって人と、レインって人はなんなんだろう。
あの4人はなんなんだろう。
一気に私の心の中に、黒いものが住み着いた。
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