この素晴らしい日常に祝福を!

音月 凛

この素晴らしい日常に祝福を!


俺は佐藤カズマ。訳あって日本に戻ってきた。あーやっと1人でNEETライフ楽しめる…と思った矢先…




〜この素晴らしい日常に祝福を!〜



佐藤火霖


私は佐藤火霖サトウコロナ。佐藤カズマの娘である。父は何か社長業をしているらしい。母のメグミから聞いた話によると、父は昔、とても自堕落な生活を送り、ここ日本で暮らしていたらしい。でも、私や仲間を思わなかったことはなかった程優しいのだと言っていた。確かに少し私に対して少し優しい。一緒に住んでいる天津アマツさんと輝奈キナさんにはなんか喧嘩っぽいやりとりしてたりするが、私は父と喧嘩なんてした事ない。怒られたりするけど、言い争いには発展しない。だって…


…勝てないんだもん。

母もよく父と言い争いになる。母は結構口が強い方だが、もはや勝ち目はない。あんなの見てたら学ぶよ。天津さんと違って。父は言ってた。

『天津は昔からあんなだぜ。』

そうなんだーぐらいの感覚で聞いていて、はてどこがおかしいのだろうかと少し前まで思ってたが確かにバ…抜けてる部分もある。例えば天津さんが朝ご飯担当の日は毎日卵かけご飯。天津さんいわく、料理なんてした事ないからできなーい、みたいな事を言ってた。

やっぱ馬鹿だ、あの人。

そんな謎な住人と暮らす日常は楽しくて天津さんも輝奈さんももはや家族。大切な家族。


…みんな大好きっ!



天津さん


私は偉大なるアクア様よ!水の女神がなんで日本でカズマたちと暮らしてるかって?それは魔王を倒した後、カズマとエリスから提案があって、みんなで日本で暮らさないか?という提案だった。もちろんみんな歓迎だったけど、ダグネスは父の事や領主代行の件、めぐみんも家族の事が心配だった。だからみんな、最後に挨拶をして日本にやってきたのよ。というかその後、エリスがなんかうまくやってくれたみたい。日本に来て少ししたらめぐみんとカズマが結婚しちゃって娘もできて…私行き遅れなの?ねぇ、どうなの?こっちでは教会の運営をやってるわ。女神だから、それっぽい仕事したかったの。教会では募金集めて災害で被災した人達に寄付したり、子供たちのために催し物したりしてるの。むっふーん、私偉いでしょー。

そんなことしながらカズマの仕事のお手伝いもしてるわ。カズマが社長ってのが驚きだけどね。お給料も貰って、なんか人の役にたってるのってやっぱりいいものね。日本に来て良かったわ。

日本に来てまず困ったのは住む家よ。最初はダグネスと探してたんだけど、やっぱりカズマの家が何気に広くて居心地が良いから昔みたいにみんなで住もうって事になったの。一緒に住んでると、アクセルの街での生活が頭をよぎるの。アクア祭が開かれたり、屋敷で色々騒いだり…私に似合わないけど、やっぱり寂しくて、あの時が恋しくて涙が出てくるの。でもエリスも色々手続きしてくれてるし、日本で頑張ろうって、いつも思ってるの。だから、私はカズマたちから離れない。だって…『家族』だもん。



輝奈さん


私はダスティネス.フォード.ララティーナ。

ダグネスだ。今は日本のカズマの家で暮らしている。そして今、私は輝奈という名前で暮らしている。アクアの天津というのも、私の輝奈という名前も全てカズマが決めてくれた。アクアの天津は、

『水の女神だから日本の天津神からとった。』

と言っていた。私は、

『お前クルセイダーだっただろ?なら輝いて、なおかつララティーナの可愛げのある奈で、輝奈。そうしよう。』

と言ってつけてくれた。まぁ、新しい名前とともに、生活も最初は慣れなかった。カズマがアクセルの街で度々言っていた日本という国はまさか異世界だとは思っていなかった。そしてアクアも。エリス様の不思議な部屋でアクアがアクシズ教の御神体、女神アクアだと知って、バカにしてすまないと、めぐみんと謝った。確かに出会った時もアクアとカズマはいつも一緒だった。カズマいわく、何か一つ異世界に持っていけるなら?みたいなので、嫌がらせか何かでアクアを選んだらしい。だが、それが無ければ私はカズマにも、アクアにも、めぐみんにも、出会えていなかった。だからカズマの転機をきかせた考えに深く感謝している。そして、この愛おしい家族に幸運を!



佐藤恵


我が名はめぐみん!専業主婦にして、家事、子育て、夫の世話を焼くもの!やがては田舎で静かに暮らすのだ!

…どうも、めぐみんです。カズマたちと日本で暮らし始めてはや12年。私はカズマと結婚し、佐藤恵という名前になりました。日本で暮らすにはやはりみな、名前を変える必要があり、アクアもダグネスもそして私も名前を変えました。娘も12歳になってそろそろ中学校に入学ですか。早いものですね。カズマがアクセルの街でエリス&アクア感謝祭が行われた時、

『ホントに異世界なんだなー…』

と言っていました。まさかホントだったなんて思ってもいませんでした。

私は日本でキャリアウーマンというのをやっています。まぁ要するにデスクワークです。こっちに来る時にエリス様が言語理解とパソコンなどの生活での基礎知識を詰め込んでくれたらしく、パソコンなどの電化製品は扱えました。ですが、日本って凄いですね。魔力でもない、電気というものが何もかもを動かしているんですね。あと、紅魔の里で誰かさんが物干し竿に使ってた黒いやつ、あれ危険なものだったんですね。殺傷能力があるなんて聞いたら、間違いなく驚き、跳ね回るでしょうね。そして人が板の中で動く、テレビというのも驚きました。異世界がこんなにも発展しているだなんて。

そして私の1日1爆裂は悲しいですが引退しました。日本でやると、警察に捕まって10何年かはシャバに出れないと脅されました。というかシャバってなんですかね…まぁエリス様に最初から覚えているスキルの代わりに知識を入れるとのことで、爆裂魔法はすぐ消えたんですけどね。ですが、まだ名残りは残っていて、体の中に魔力が走る感覚はまだあります。魔力を熾してあければ、結構力が増幅します。そんな弱チートを持ちつつ、年頃の娘を育ててます。火霖という娘の名はカズマがつけました。

『めぐみんの爆裂魔法からとって、火関係の名前にしたかったからこんな感じになった。』

とか言ってドヤ顔してました。親になって分かりますが母って大変ですね。家事したり色々したり。

でも母国と大きく違うのは国の制度が大きかったですね。特に保険とか。怪我したり入院した時に入院費などを免除してくれたりするらしいです。なので異世界でも安心して暮らせます。

さて、カズマと結婚した理由についても話しておきましょう。まず、プロポーズはカズマからです。ギリギリ異世界の時でしたね。屋敷で指輪を渡されて、結婚してください、と言われました。即OKしてカズマから

『もっともったいぶれよ』

とかカズマらしい、雰囲気ぶち壊しの一言をもらい、思いっきり捻ったのはいい思い出ですね。

そんなカズマと、アクアと、ダグネスと、火霖とこれからも、永遠に過ごして行こうと思います。

皆さん、これからも宜しくお願いしますね?





今日は家族揃って食事をとる日。料理担当はもちろん母…と言いたいとこだが、はっきり言って母より父の方が圧倒的に料理は上手い。味付けも凄くいいし、栄養のバランスもよく見ると凄くバランスがよい。

「ねぇカズマ、ビールもういっぽん開けてちょうだい」

「お前だけで何本開ける気だ!お前の酒代減らせばもう少しいいもん食えるんだぞ!」

「いいじゃない!仕事した後はビールに限るし、お酒が無いと生きてけないわ」

「仕事って、お前全く働いてないだろ!」

「失礼ね!私は次に教会でやるイベント考えているんだし、カズマの会社だって手伝ってるじゃないの!」

「いつもたった1時間じゃねぇか!そんなの働いたうちに入らねぇよ!」

始まった。大体喧嘩が始まって次に天津さんが泣いて謝るオチなんだ。…と思っていた矢先…




「お兄様!アイリスがやって来ました!」



爆弾が投下された。

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