第4話〜仲間と共に〜

そんなこんなで俺は『マジックハンター』という最弱魔法職になった訳だが、今パーティーメンバーを募集している。


「出来れば上位職の人達とか来て欲しいなぁ〜」


そんな事をを言っていると、後ろから俺を呼ぶ声がした。


「あ、あの!貴方が神崎隆吾さんですか?」


「あぁ、うん。そうだよ。」


「私、ユイって言います!上位職では無いんですが、回復魔法を得意とするプリーストです!パーティーに入れて頂けませんか?」


ユイという、茶髪のツインテールで年齢は多分一緒ぐらいのプリーストは簡単な自己紹介をした。


「おお!宜しくお願いします!」


俺は、この子をうちに入れなかったらメンバー集まらないかもしれん!と思い、上位職じゃ無いけど回復持ち強くね?という結果に至り、即採用した。あ、あと見た目が8割。


「あ、ありがとうございます!実は私、どこのパーティーにも断られたのでここに入れて良かったです!」


ん?ちょっと待てよ…。今、どこのパーティーにも断られたとかいう言葉をを聞いたぞ?なんか…、嫌な予感しかしないが一応理由を聞いてみるか…。


「あの…、今どこのパーティーにも断られたって言った?」


「あ、はい!言いました。」


「それって…、どういう理由で…?」


「実は、魔力のコントロールが上手くできなくて…。あ、でも、回復魔法は使えますよ!時々だけど…。」


なんか、最後らへん声が小さくて上手く聞き取れなかったが、やっちまった…。


採用する前に詳しく色々と聞いとくべきだった…。


「見た目で選んじゃいかんなぁ……」






───翌日



まあ、昨日は色々あったが、俺はユイともに初級クエストに来ている。

この世界で最も簡単なクエストだ。


しかし、俺たちにとっては全然簡単じゃ無かった…。なにを隠そう、さっき仲間になったユイがクエスト開始5分で瀕死状態である。そして、このクエストの推奨Lvは3。Lv1だけど2人で挑めば大丈夫っしょ!と思った俺が馬鹿だった!なんせうちのプリーストは魔力のコントロールが全く出来ないのだから!


そして、ユイはクエストに行くや否や魔物であるゴブリンに襲われ、自分に回復魔法を放とうとしたが、魔力をコントロール出来ずに力尽きてしまった…。


そして、時は今に至る…。


「おい!起きろユイ!」


俺は喉が壊れそうなぐらいな声でそう叫んだが、ユイからはなんの反応もない…。


「あぁ、くそ!気絶してやがる!俺なんて、使える魔法なんて特に持ってないのに!こんな事になるんだったら炎魔法とか戦闘向きの魔法覚えてくればよかったー!」


俺は、約15分前の事を後悔しながらゴブリンから逃げている。しかし、ゴブリンの足は思ったより速く、もう俺のすぐ後ろまで迫っていた。


「うわぁぁ!ヤバイヤバイヤバイ!」

「キェェェアァァ!」


あぁ、死んだ…。短い命だったけど、楽しかったぜ…。そしてゴブリンがこん棒を振り上げ俺を倒そうと……


しなかった。


なぜなら、なんか知らんが俺は光の膜に包まれていた。


「え…?ナニコレ、コワイ…。」


俺は困惑した。まさか、ユイが覚醒したのか⁉︎

そう思ってユイを見てみると、間抜けな顔で気絶していた。


ということは、この光の膜は俺の力…。そして、俺は女神シーラに言われた事を思い出した。


「そうか!これが神の力か!そうだ!俺にはこの力があるじゃないか!」


そして、俺はなにが起こったか分かっていないゴブリンに目をやると、


「ゴブリン!ここからが本番だ!かかって来いやー!」


俺はそう言い放ち、ゴブリンと死闘を繰り広げた。



そして、目が覚めるとそこには知らない天井が広がっていた。


「あれ…?ここは…」

「やっと目が覚めましたか!隆吾さん!」


俺は、女の子の声がする方に顔を向けると、そこにはユイがいた。


「私たちゴブリンに負けて、この治療室まで運ばれて来たんですよ?」


そうだった!俺は確かあの時調子に乗ってゴブリンと戦い、神の力は何故か使えずゴブリンにボコボコにされたんだった…。


女神様…、魔王討伐は10年後ぐらいでも良いっすかね?




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る