第159話 嫉妬
「……何デ」
え?
今何でって言った?
わけがわからん……。
「何デオ前ラハノンビリト生キテイル?」
「……は?」
「あんかけだって……」
シュッ
あんかけの背中のセルリアンがフルルをかすった。
「何デミンナAYPッテ呼バナイノカナ……」
フルルは固まった。
そして恐怖のあまりその場に座り込んだ。
「……グエ~!」
精いっぱい鳴いた。フルルを傷つけるとは……
「ヒドイノハオ前ラナノニナ……」
背中のセルリアンを引っ込めるあんかけ。
その視線の鋭さにもう声も出ない。
「ひどいのはお前ら……か」
一方イカスミは全然恐がらないどころかニヤニヤ笑っているようにも見える。
「その言葉の意味を解説しないとただのイタい奴として終わることになるぞ~?」
「ウルサイ……ノンビリ生キテイルノガ……気ニクワナインダヨ……」
「そうだそうだ、吐け」
「3次元ハ辛イ所ダ……」
「そうだな」
「ソレニ対シ2次元ハ楽シイ所……」
「……なんとなく分かった。楽して暮らしてる僕達に嫉妬してんだね?」
「ソウニ決マッテル……」
「うんふざけんな。」
イカスミ……。
「勝手に嫉妬して勝手にパーク壊すとかどんだけ自分勝手なお嬢様なんだよ。」
「ゲームノラスボス、ホトンドコンナモンダロ?」
「何でそこでゲームが出てくるんだよ~?でもとにかくお前のやってることは間違いだぜ~?いずれ分かるのぜ~♪」ニヤニヤ
「……オ前ノ方ガフザケンナ」
背中のセルリアンが伸びて……
「うわっ」
「イカス……うわぁ!」
(フルル……!うお!)
体当たり……してきた……。
「コノパークハ私ガ支配シテイルト言ッタロ?コノパークハ私ガ操レルンダヨ……。」
「そんな……こういうの……チートって言うんだよね……」
「私ハタダパークヲ壊ソウトシテイルダケ。チートトカ関係ナイヨ?」
冷酷な瞳で僕達を見てくる……まるで別人だ……
「……あの緑色は……」
「緑色?AYPの体の色に何かあるの?あ、ミドリ?」
「違う」
「あんかけの薄黄色と裏あんかけの青色を混ぜた色……?」
「それもあるが違う、緑色は嫉妬の色。アイツはマジでこのゆるい世界に嫉妬してるぜ?」
……。
「私ガ嘘ヲツクトデモ?」
「裏切っただろうが」
「ドウセ私ノ気持チナンテ分カラナインダ……」
「失恋したのかな?」
「……ウルサイ、ウルサイウルサイウルサイウルサイ黙レ……ファッキュー……」
「……!?」
青ざめるフルル、それでも動じないイカスミ……何だよこの地獄絵図は……
どうしてだよ……
「AYPハキリガナイト悟リマシタ。オ別レノ時間ダヨ……。」
え……?
「私ハコノパークヲ支配シテイル、サンドスター・ロウモ作レル……」
「何を……する気なの……?」
「随分お怒りのようで……」
AYPの周りに黒いサンドスターが湧き出て、それをAYPが吸収している。
「サンドスター・ロウ、フル使用……」
背中のセルリアンが動き出す。
「サヨウナラ。4人デノ毎日、楽シカッタヨ。」
背中のセルリアンが黒いサンドスターを勢いよく出しながら襲いかかってきた。
口が大きく開く。
僕達を食べるサイズだ。
……終わった。
フルルと過ごした幸せ、あんイカとの思い出、PPPの記録……
全て全てここで終わる。
残念だけど選択肢は……だね……
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