第158話 戦闘
みんな一斉に駆け出す。
瞳を光らせる者もいる。
……セルリアン狩りの時間だ
「てや~!」
フルルもマイペースとは思えないビンタを見せる。
勢いがあり、セルリアンの石に届けば1発。
だが石に届くまでに時間がかかることがあるので……
「グレープ助けて、このセルリアンの石に届かない~。」
(じゃあ僕を高い高いして!)
「えっ?高い高~い」
そこから石めがけて跳んでパッカーン……とね。
「グレープすご~い!」
(本当~?)
まあサンドスターの力もあるしな。老人でもここまで動けるのはありがたい。
次々に壊れてゆくセルリアンもだんだん数を増し、セルリアンハンターも苦戦し出した。
「くっ……」
「ヒグマさんっ、無理しないで下さい……。さっきの怪我も残っているんでしょう?」
「大丈夫だキンシコウ……私はまだ行ける……」
「無理ですよ、ここは私が!ふっ!」
仲間想いだな……。
「私も頑張りますよ!」
「じゃあリカオンにはそっちを頼みます!」
「オーダー、了解です!」
だがこれは……
「うぅ……」
「ハンター!?」
やっぱり倒れかけた……。
「……私達のことは構いません、行って……下さい……」
いやいやいや!
「えぇ!?でも!」
「いいんだ……それに……回復したら私も加わるから……そしたらサイキョーだろ……?ウジウジしてないで……早くあんかけを……」
「……分かったわ」
こうしてセルリアンハンターは置いていくことに……。
更に進む……あれ?ここって……
「ゆうえんちじゃない!ゆきやまを通ってさっきハンターを置いてきたのはろっじの森……?セルリアンを辿ったらこんな場所に……?……でも倒すわ!」
「分かった」
「頑張りましょう!」
「おう、気合入れてけ!」
そして残されたメンバーでゆうえんちのセルリアンを倒しつつセルリアンを辿っていく。
だが多すぎて先に進むにも進めない……
「ちょっとこっちなんとかしなさいよ!」
「なんとかって言われても分かんねーよ?俺には分かるけどな!」
「こっち助けて下さい!」
「大丈夫?無理はしない方がいいよ。」
「パフィンちゃんのキックも足が疲れてきましたー……」
「私も爪が疲れてきました……」
だがセルリアンは休むことを知らない。疲れてきた僕達を無視して襲いかかってくる。
「うっ……ここは行きなさい!」
「私もここに残る」
「行って下さい!」
「早くしてくれ!」
「あんかけさんを……」
「倒してきて下さーい……!」
みんな口々に言う。
「みんな……フルルは行くよ」
(僕も!)
「僕も行くが、そんな物語の中のようなありきたりなセリフで好感度アップが狙えるか?」
「イカスミ……あんたって娘は……」
「でもまあ頑張れよ、行こうぜフルグレ」
「うん!」
僕達3人は……セルリアンを辿っていった。
他のフレンズの安否は不明だが……アイツらなら……
そしてひたすら走っていくと……
夜のかいようちほーに辿り着いた。
砂浜でAYPが座ってる。背中からはセルリアンが生えていた。
「……追イカケテクルナト言ッタハズ」
「そんなん追いかけて下さいっつってるようなもんだろ」
「ねぇ、どうしてパークを壊すの?」
イカスミが鼻で笑う横でフルルがみんなが持っているであろう疑問を訊いた。
その赤い瞳はもうあんかけではなかった。
見下すあんかけの答えを……
ただ待つしかなかった。
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