本当の『幸せ』

第156話 変身

僕達は旅行から帰ってきた。

もう疲れて橋の上でボーッとしてるところ。

すっかりフルルと放心状態。


……そこを


「あ、セルリアン」

(倒そ♪)

「うん♪」

邪魔する奴は許さん。

「せーのっ」

はいパッカーン。

フンボルトペンギンのビンタは強いぞ。

覚えておけ。

「……にしても今日はセルリアンが多いのかな~?」

(確かにさっきハンターを見たね)

そう言って僕はじゃぱりまんを一口食べた。


……その時


シュッ


黒い影が僕達を横切った。

「……ん~?」

黒い影の方を見ると……

イカスミ……?

「……あ、通り過ぎた……フルグレ……」

「イカスミ~。さっき別れたのにどうしt……」


「助けてくれ……あんかけが……あんかけが……」


「……?」

あんかけに何かが起きたのだろうか?

「哀しそうに……出ていった」

「喧嘩したの~?」

「してねぇ」

「じゃあ……何で?どこに?」

「何でかもどこにかも分からん。ただこんな言葉を残していった。」

「……?」


「……『娯楽をありがとう、でもどうしても耐えきれない。ごめんね……。』」


え……どういうことだろう……?

「なぁ、あんかけを捜してくれ、めっちゃ辛そうだったんだよ」

「……分かった」

フルルもイカスミも決意を固めた表情をしている。

「よし、あんかけを捜すよ~!」

「お、おう!」

こうしてあんかけを捜すことに……。


「ね~ね~、あんかけ見なかった~?」

「見てないわよ」

「見てないぞ」

「見てないです」

「見てないぜ」

「見てないですよ」

PPPとマーゲイは見てない……

「なぁ、あんかけ見なかったか?」

「見てないでーす!」

「見てませんわ」

パフィンとコモモも見てない……


どこにいるんだ……?


「みずべちほーにはいないのかな~?」モグモグ

「いつの間にじゃぱりまんを……」

「休憩休憩」モグモグ

はえーよ……。」

でもじゃぱりまん美味しいからねー。

「……ん、あれセルリアンじゃないか?」

「本当~?倒そ倒そ!」

僕とフルルとイカスミはセルリアンの元へ駆け寄った。


「……デカイな」

「大きいね~。まあ倒すんだけどね~。」

セルリアンがこっちに気付く。

いきなり触手を叩きつけてきた。

フルルとイカスミは長けた瞬発力で避けた。フルル、やる時はやるもんな。

「……石は背中にあるな。」

「壊す~?」

「僕が壊すよ。フルルは囮にでもなってな!」

セルリアンは背中に回り込むイカスミを見ていたが、フルルの挑発的なビンタで、フルルに目が移った。

(無理はしないでね?)

「分かったよ~!」

一応助言をした。これで安心。勝ちは……


「みゃあああ!」


ピョンッ


ザシュッ


パッカーン!


……決まった。

「ふぅ~。お疲れイカスミ~。」

「こんなの倒したうちに入らねーよ♪」

その時。拍手が聞こえた。

「スゴイネ3人トモ」

聞き慣れた声の方を向いた。

「……えぇ、おま、あんかけ!?」


でも……変わり果てていた。

体中黄緑色になっていたのだ。


「その姿……」

「アア、コレ?ゴメンッテ謝ッタデショ?」

「……どういうことだよ」


「マア理由ナンテ知ラナクテモイイヨ。コレカラオ前ラハ死ヌンダシ。」


「「「!?」」」

僕も驚いた。あんかけ……どうしたんだよ……?

「あんかけ~?何でフルル達は死ぬの~?」

「アンカケッテ呼ブナ……破壊神@セルリアン『AYP』ト呼ベ。」

「えーわい……え……?」

「私ハ元々パークヲ支配シテイル。壊スノナンテ簡単ダ。」

え……パークを……?

「邪魔ハサレタクナイ。追イカケテクルナヨ。」

そう言ってあんかけはセルリアンを生み出した。

そのセルリアンの後ろにあんかけがいると思い、セルリアンの後ろを見たが、あんかけは消えていた。

そのセルリアンは簡単に倒れた。囮だったのだろう。



……パークの危機を親友が起こしていたと知り……

僕はただ絶望していた。

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