第150話 憧憬

「「「「「ようこそジャパリパーク!」」」」」

私は旅行中のフルルさんのパートを頑張っている。

完コピしているから楽勝。

この曲は私のパートとフルルさんのパート、どっちもやる。もちろん一気に2人の声は出せないから、私とフルルさんのパートが被ったら私のパートをやることにしている。

「……ふぅ、ようこそジャパリパークはこれでおしまい。次よ!」

はきはきしたプリンセスさん。流石に毎日練習休みではないのでやる時はやるところが最高です!


『大陸メッセンジャー』……。

これも歌いきってみせるわ。

大変だけれど、彼女達の笑顔の為頑張る。

それが私、マネージャーの仕事。

遠かった距離や会えなかった日々を埋める為、私はPPPに積極的に話しかけることがある。『大陸メッセンジャー』は私に向けた曲なのかもね……という妄想をしてみたり。

そういう妄想の日々よ。ごめんねPPP。好きな相手がいるのに……。

「……マーゲイ、リズムずれてるわ」

「は、はい!」

でもでも、プリンセスさんやジェーンさんみたいな失敗は犯しませんよ!

……なんてねフルルボイス


「それじゃ、ちょっと休憩ね」

みんなバテている。

バテた皆さんも……おっと、鼻血が出るところだった。

汗も鼻血もたくさん出たらまた倒れちゃいますよ!

「……ちょっと、水を飲んできます!」

「行ってらっしゃい、気をつけてね」

コウテイさんはやっぱり仲間想いなんですね……おっと鼻血が……


「……ぷはー」

夏は水分補給が大切になってくる。

9月には残暑があって、それも暑いらしい……うーん。

「あ、マーゲイさん!」

「あ、パフィン!」

「練習頑張ってますかー?」

「もちろん!」

私の親友、パフィンが来た。いつものようにじゃぱりちっぷすを食べている。

「パフィンちゃんもお水飲むでーす!」

いつもの無邪気な口調で何より。

じゃぱりちっぷすを置いて、自分の手で水をすくい、飲み干す。それをせっせと繰り返すパフィンを見て頬緩む。

「マーゲイさん、じゃぱりちっぷす食べますかー?」

「あ、私はいいです」

「でも疲れてそうなのでー……」

「大丈夫なので心配しないで。たまにプラチナチケットで見学してくれると嬉しいです♪」

「分かりましたー!」

無邪気な返事。それを聞いて元気が湧いてくる気がしてきた。

「頑張って下さーい、パフィンちゃんはこれで!」

「またね~」

パフィンは飛び去っていった。私は小さくなっていくパフィンを見守る。

「……応援されたし大丈夫」

私はそう自分に言って練習に戻った。


「お帰りマーゲイ、もう練習始まるわよ」

「はい!」

思いきり返事をした。回復してどんな歌もどんな踊りも出来る気がする。


「「「「「ガンバレ!」」」」」

ドラムも完コピしている私にかかればこんなの朝飯前。『人にやさしく』の練習を終え、そう思った。

「すごいわねマーゲイ、本当に全部完コピしてるのね」

「はい!プリンセスさん達のも!」

「ふふ、助かっているわ」


「……憧れの皆さんの為ですから!」


私はとびきりの笑顔で言った。

PPPの為なら私は何だって出来る。

そんなマネージャーですから……



これからのPPPはどうなっていくのか。

ちょっと楽しみ。

フルグレがいなくて寂しいけれど、帰ってくる時を待ちつつアイドルの心を忘れない皆さんなら……きっと伝説のアイドルになれますよ……!

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