第149話 断言
「ワンツーワンツー!」
私はプリンセスさんのカウントに合わせて踊る。
「わ、間違えちゃいました」
私は小さなミスも気にする。
なんてったって
『正統派アイドル』
だから。
……今のは確かに小さなミス、だけど
「ジェーンまた間違えているわよ?」
さっきから何回も犯している……。
「大丈夫?」
「は、はい」
憧れのコウテイさんに心配されてるのに何故か『きっちりやろう』という気にはなれない。
……実は私もひっそりとフルグレの心配をしている。
フルルさんは私の親友で、グレープさんは親友の夫で……
だから、心配……。
「ジェ、ジェーン?」
「は、はい……」
また……。
確かに私はドジでいつも間違えているけれど、誰かが気がかりで間違えるのは……多分初めて……
成長させるのもいいけど私はリーダーなんかじゃなくて……みんなをまとめてもいなくて……
「ジェーン」
「は……はい……すみません……」
これではプリンセスさんと同じだ……。どんどん弱気になって、私なんか押し潰されてしまいそう……。そんなことばかり考えて、言葉を発する暇がない。
「……ジェーン、何があったか話してよ」
「あ、あの……」
「なんなら席を外そうか」
そう言ってコウテイさんは私をつれて外に出ていった。
イワプリと……同じことを……
「……ジェーン、お願いだ、話してくれ。……まさかフルグレ?」
「……はい、フルルさんは私の親友で、グレープさんは親友の夫で……心配で……」
私の声がだんだん小さくなっていくのを感じた。
「そうか……でもね、フルグレはフルグレなりに成長している。それは知っているだろう?」
「でも……私が成長させる立場ではないと思います……リーダーでもないですし……」
「大丈夫、PPPはみんな平等だよ」
私は……これでフルルさんと話した時を思い出した。
自分が平等って言っておいて……
「私って本当にダメなフレンズですよね……」
「そんなことないよ……ジェーンはいつも頑張ってるし、正統派アイドルとして人気じゃないか。リーダーである私が……断言する。」
「……!」
コウテイさんの言った言葉で私のやる気がみなぎってきた。
「あ、ありがとうございます!一生懸命頑張ります!」
「助け合うのは当然だよ。さあ、戻ろう。みんな待っているよ。」
「は、はい!」
こうして私とコウテイさんはみんなのもとへ戻った。
「お、ジェーン帰ってきたぞ」
「ご迷惑をおかけしました、すみません……」
「いいのよ。さあ、練習再開しましょ」
「ってかジェーンがプリンセスと同じことをするとはな……意外」
「ちょっとそれどういうことよ!」
「「「「……あはははは!」」」」
「あぁ……団結力ぅ……最高ですぅ……」タラー
練習再開……ハッピーエンド、かな。
きっとフルグレは上手くやっている。
そう思いながら私は……
一生懸命頑張ります!
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