第140話 黒猫
自信満々に僕達を見下すような笑顔を見せるイカスミ。
だが……
「でもどこから説明したらいいか分かんねーな?」
「そうだね……私だけ罪被るつもりでいたからこれアドリブだね。」
意外に弱い。
ってかあんかけのチョコ味発言わざとだったのか!
「まあ……まず、僕は外の世界から来たんだよ。もともと僕はノラネコだったってわけ。
だから色んなヒトを見てきた。ヒトはすごく賢かった。」
まあね、僕達を飼育するくらいだから……
「……でも、賢すぎて逆に愚かだった。」
へ?
「必要な物は奪い合って、色々と騙し合って、簡単に
……ヒトだけじゃない……ペンギンだって……ミドリだって……。
「そんなある日僕は死んだ。車に轢かれて1発だ。」
うへぇ……。
「こういうの『グロテスク』っていうんだよね……。」
お、フルルすごい……。
「そんでパークに落ちた。」
「そんで落ちた砂浜で私はイカスミを拾った!
……最初は全然言うこと聞かなかったけど。」
まあそりゃそうだ。
「でも……確かねぇ……あ、思い出した!」
何を思い出したんだ、あんかけは?
「そうだよね。みんな怖いよね。あんな汚れた世界でみんな楽しんでるのかな?」
……。
「この一言でやっと口説けたんだよ!」
「誤解を招きそうな言い回しやめろ!///」
うん、誤解招きそうだけど……
それよりも今の一言、すごく共感するよ。
「でも……そんな汚れたヒトは未だに苦手だから……。あんかけがいないとヒトはもちろん、ヒトの形をしたフレンズも怖い。だからろっじの部屋『ごろごろ』に閉じこもっている。」
「でもフレンズはみんな優しいよ~。」
「最近実感してきた程度だからな……。」
頭をかきむしるイカスミ。
「まあ優しいからフルグレは平気になってきたよ。でもな……テメーらは苦手だぜ?」
……え?
誰もいない空間に指を……
「あ、バレたかしら?」
「え~!みんな~!」
よく目を凝らすと……PPPの他メンバー、マーゲイ、ろっじのいつもの3人が盗み聞きしていた!?
「ちょっと気になったのよ、ごめんなさいね。もういいわ、ありがとう!」
そうして盗み聞きしていたフレンズは解散した。何だったんだ……。
「……ふぅ。ヒトだけは『トラウマ』だからな、これからパークに住むから少し克服したいな。だからあんかけの旅行についていくことにしたんだけど。」
「え、旅行行くの~?」
また3次元旅行……今度はどこ行くんだろう?
「うん、でもPPPのみんなも来るだろうからまた今度話させて。」
「分かった~。……それにしてもトラウマを持ってるってグレープと一緒だね~。」
あ、それ思っ……
「そうそうそう!外の世界から来て、トラウマを持っている。正にグレープと同じポジションなんだよ!」
な、成る程、イカスミに惹かれるのは何でか疑問だったけど同じポジションだったから……。ってかあんかけ元気良すぎ。
「じゃあ~、トラウマを克服させるあんかけはフルルと同じポジションだ~!」
「え……///」
「まあ有り得るな☆」
「なっ……///言っとくけど!僕はまだお前のイエネコじゃない!」
え、えっと……
「何でイエネコの話~?」
「だってあんかけのイエネコになるっていうことはあんかけの家族になるっていうことで……家族になるってことは結婚するってことだろ!///」
「……いつも一緒にいるのに?」
「うん」
「一緒にじゃぱりまん食べてるのに?」
「うん」
「あなたと私でランデブー……」マ ト リョー シカ♪
「したことねぇよ!」
「私イカスミのいいところいっぱい知ってるのに。ツンデレ、カッコいい、ボーイッシュ、猫っ毛……」
「長い長い!」
「1つのベッドで一緒に……」
「寝てるけどそれは言うなぁ!///」ビシッ
……夫婦漫才?
だってそうにしか見えない。両方メスだけど。
「と、とにかくな!お前らはもう寝ろ!僕から言うことはない!」
「ふぁ~い」
満足したので僕とフルルは部屋へ戻った。
あの後……起きて朝御飯を食べてろっじのみんなに別れを告げた。もちろんイカスミにも!
僕と同じポジションのフレンズ……
仲間……!
……安心した。もうイカスミは
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