第130話 花畑

「「「「「空は……飛べない……けど……」」」」」

みんなすっかり夏の暑さにやられている。

もちろん僕も。永遠に水を飲んでいないと死にそう……。

「はぁ……はぁ……この前の沖縄エリアの方が涼しかったわよね……?もう……疲れたわ……」

「どこか癒される場所はないか……?また海行くか……?」

「癒される場所……あっ」

プリンセスは何かを思い出したみたい。

「今『はなばたけちほー』でひまわりが咲いているらしいわよ!」

「はなばたけちほーって何~?」

「何もない、何のちほーでもない、そんな寂しい場所を博士と助手が花畑にしたのよ。そこの名前がはなばたけちほー!」

「お~!」

フルルは興味を持っている。

「これは行くしかねーぜ!」

「私も行きたいです!」

「あ、マネージャーも忙しいので行きたいです」

「そうね、なら練習の休憩に行きましょうか♪」

「「「「「わーい!」」」」」

こうしてみんなではなばたけちほーに行くことにした。


「あっという間に着くわよ~♪ほら!」

そこには……花がたくさん咲いている場所があった。特に黄色い花……ひまわりだろうか?がよく咲いていた。

ここがはなばたけちほー……!

「すっげー!」

イワビーはまたファーストペンギンに。海じゃないけど。

「わぁ……すごく黄色い花だな。」

「あぁ、黄色いのでコウテイさんみたいですし、明るいのでイワビーさんみたいですし……悩みます!」

「おいマーゲイ、そこは悩まなくていいんじゃねーか?」

「でも確かにコウテイさんにも似てますね……。」

「せやな~♪」モグモグ

「フルル……いつの間にじゃぱりまん食べてるのよ……そして何で急に関西弁で歌い出したのよ……」

確かに一面に広がるひまわりがすごく綺麗で……癒されるねぇ。


「……もうそろそろ行きますか?私は充分楽しめましたよ?」

「ジェーン早くないか?もうちょっと楽しませてくれ。」

「だってコウテイさんは黄色がイメージカラーだから……ひまわりになれますよ!だから今度から私、コウテイさんを見ます……コウテイさんに憧れます……私はコウテイさんにはなれませんから……」

「……知ってるか?ひまわりは太陽を見て成長するんだよ」

「……へ?」

「私がひまわりならジェーンは太陽だよ」

「……!///」


……いい感じいい感じ。

あ、僕とフルルはというといつも通りじゃぱりまんを食べながら、のんびりひまわりを楽しんでいるよ。


そんなこんなで帰る時間。

ひまわりが僕達を見送ってくれた。

そんな気がした。


「「「「「空は飛べないけど」」」」」

「みんな上手になったわね!ひまわりの力かしら?」

はなばたけちほーでエンジョイしたみんな。すっかり回復したな。

「じゃぱりまん美味し~」

でもフルルはまだエネルギー足りないのかな?別にいいんだけど。むしろ僕もじゃぱりまん食べたい。



フルルがひまわりなら僕は太陽。

当たり前のことだけど、心の中で想うだけにした。

今のセリフや、「景色よりフルルの方が綺麗」だとか、そういった類いのことは言い過ぎると良くなさそうだから。

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