第127話 石垣(かえりのひこうき)

浮くのは早くて島がおもちゃに見えるようになった。車があんなに小さく見える。嗚呼……寂しい。

「あ、あんかけ達が乗ってるひこうきよ!」

ひこうきには追いついた。


(あ、みんな!やっほー!)

「また会ったな!」

「空綺麗だよー。」

シーサー姉妹もヘッドホンで話す。


「わ~わたあめみたいな雲~」

しばらくして行きと同じくわたあめみたいな雲に遭遇。

「食べたい食べた~い」

「いや無茶言うなよ!」

「イワビーも食べたいとは思わないの~?」

「思うかよ!」

僕は食べたいけど……。

「フルルさんのメルヘンさがたまりません……!」

「おう。」

「イワビーさんそっけな!?」


しばらく飛んでひこうきとロケットは青空に突入。

(青空綺麗……『鳥の人』が聴きたい気分だよ!)

「それって外の世界の曲だろー?」

「確かナウシk」

(おまっ口閉じてるシーサーなんだから黙れぇぇぇぇぇ)

「じゃあ口開いてるシーサーは」

(駄目ぇぇぇぇぇ)

ひこうき内騒がしいっ!幸い3次元には聞こえないからセーフ?いや、それでも2次元には聞こえる!うるさい!

「行きのひこうき、そんな感じだったかしら……?」

(みんなへのサプライズってことでシーサーのこと内緒にしてた。だからシーサー無言で騒がしくなかった。)

だからって帰りのひこうきを騒がしくしないで?3次元には聞こえないけど。


そんな騒がしさはなくなって、何かの島も見え、青空と白い雲の組み合わせが最高。快適な空の旅である。

「空は♪飛べないけど♪」

あんかけが大空ドリーマーを歌い出す。

「いいわね。歌の練習ってことで!」

あ……アイドルの練習忘れてた……

まあいいや。踊るの楽しいし。

僕とマーゲイはみんなの歌を聴きながら、他のみんなは歌いながら空からの景色を楽しんだ。

空はまるで海。青いところが海水で、白い雲は波。

僕はそんなことを考えながらフルルの声をひたすら聴いていた。

雲がさっきから同じ形で少しつまらないがそれでも景色は綺麗だった。


またしばらーくたっぷり飛んで……雲がなくなってきた。まっさらぁ……。

(もう沖縄は遠くへ……フサキリゾートよ、ありがとう!)

「ふさきりぞーとって?」

(泊まったホテルの名前!)

「へ~!」

後から知る事実。沖縄はもう遠いというのに。


さて、お次は……全面真っ白の世界。

「これ全部雲かな~?真っ白~……。モコモコしてない……。」

わたあめに見えないから食べないんだね。多分。


また青空に戻る。ちょっと白いけど。

(この水色と思えば水色になり、白色と思えば白色にもなる、空の水色と雲の白の中間の色、いい……あ、下の海に船発見!)

あんかけが配られたマスカットの飴を舐めながら喋る……美味しそうなんですけど。


そんな中間の色の場所は過ぎ、水色になってきた。

何かの島が見える。

「あそこに帰るのか?」

(違うし後30分くらいあるよ。)

「後30分くらい……でももうすぐだな。」

「空の旅も後30分くらい……楽しみましょう!」

「うぇーいロックだロックだー」

それは騒がしいだけ!

……いや、この騒がしさこそ本当のほのぼの……なのか?


そしてそこを過ぎてしばらく飛んで……ようやく島が見えてきた。

緑が溢れている。

もうすぐ着く……。

(建物小さい……でも近づいてきた……。あ、ディズニーシーも見える……。スカイツリーも……。)

色々見えるらしい。そして大分降りてきた……!

あぁぁぁ……ついに……

着陸……!



あんかけの住む、ジャパンパークに着いた。

そこからあんかけの住むエリアに帰り、あんかけの家からあんかけパークへ行くのだ。

さあ……パークまで後少し。

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