第118話 石垣(ひこうき)

どんどん浮かんでゆくロケット。結構な高さまで来た。

地上があんなに遠くに見える。

「「「「「「うわぁぁぁぁぁ……!」」」」」」

みんな初めての空に驚きながらも大興奮。

「すごいわ!これが空の景色!」

「私達は飛んでないけど空の景色は味わえるな。」

「雲がモコモコしてます!空の景色っていい……。」

「さ……最高だぜ!すげーよ空の景色!」

はしゃぎすぎて落ちないか不安。

「グレープと空の景色を見れて良かった~!」

(あ、もちろん僕もフルルと空の景色を見れて良かったよ!)

そりゃそうだ。

「空の中にPPPの皆さんが……あぁ、たまりません!」

マーゲイはしがみついてることを忘れて、すっかりPPPを見てうっとりしている。

イン・ザ・スカイでもいつも通りほのぼのか。


ちょっと進むとあんかけが乗っている飛行機が見えてきた。

「あ、窓際にあんかけいる~!あんかけ~!」

(お、みんな!空の景色最高だよぉ~!)

「フルルもそう思います」

「フルル、何故急に敬語なのよ……?」

でも僕は敬語なフルルも好き!

(さあ……みんなで空の景色を楽しむぞぉ!)

「「「「「「おー!」」」」」」

もちろん!僕は頷いた。


「わ~!雲がわたあめみた~い!」

しばらく空を眺めているとわたあめっぽい雲に遭遇。

「雲はわたあめじゃないぞ?」

「でも食べたいな~♪」

僕も食べてみたい気持ちはある。

「雲ってどんな味なんだ……私はレモン味がいいな。」

(アノヒノカナーシミーサエー アノヒノクルーシミーサエー)

「あんかけどうした?」

(何でもない☆)

え……?何の歌だったんだ……?


その後またまたしばらく飛ぶと今度はなめらかな雲。

上を見ても下を見てもなめらかな雲……。

「あれはジェーンらしい雲だな。」

「そうですか……でも私はまだまだ未熟です。私、あの雲のようになめらかでいたいです!」

「大丈夫、ジェーンならきっとなめらかでいれるよ。」

「は、はい!ありがとうございます!」

うん。僕もそう思います。フルルの真似。


それから海に点々となった雲が被さっていたり、またなめらかな雲になったり、いい眺めだったが、あんかけは本を読んでいた。

(あ、月が見える。継……いや何でもない☆)

こんなこと喋ってたが……いや、正確には、こんなこと『考えていた』が。


みんなそろそろ慣れてきた頃。

「うお!雲、近!」

あんかけの声にみんな反応し、あんかけの視線の先を見る。

「うわ!本当ね!」

「このまま雲の中通ってほしいね~」

「あなた雲が食べたいだけでしょう……。」

僕も食べたい!

そう思いつつ下を見ると……

(うお!海、近!)

「ん~?本当だ~!」

地上は近づいてきている……。

更には島も見えた。

緑と黄緑が広がっている。

そしてロケットとひこうきは降りていく。轟音を立てながら。


音が全くしなくなり、ロケットもひこうきも動きが遅くなり……着陸した。

「着イタヨ」

「ありがとうねボス!あ、あんかけ、私達はどうすればいいの?」

(取り敢えず空港で合流しよう)

「了解よ!」

こうしてみんなでくうこうへ行った。



やっと着いた沖縄エリア、石垣ちほー。

普通旅行は楽しいけど……

フルルとなら楽しさ倍増だよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る