第68話 一日

……朝かヤキソバウメェ!。今日は練習……なかったっけヤキソバウメェ!。

「ふわ~……」

それから先は何も言わなかったヤキソバウメェ!。そりゃ『おはよう』なんて言ったら僕は『おはよう』って返すから語尾まで話しちゃうってことかヤキソバウメェ!……

フルル、僕をそんなに心配してくれてヤキソバウメェ!……

「……辛いね」

急にフルルが口を開くヤキソバウメェ!。

(な、何がヤキソバウメェ!……?)


「もう……罰ゲームなしにしよ?」


(……でも、僕が言ってしまった罰ゲームだからヤキソバウメェ!……仕方なく受けるよヤキソバウメェ!。)

「強がらないでよ……」


ぎゅっ


「グレープは……この前までのままでいいよ……お願い、今日から罰ゲーム……やめて?お願い……」

フルルが泣きそうな声で言う……ヤキソバ……


(……分かった。罰ゲームは取消す。『ヤキソバウメェ!』は禁句にする。だから……笑って……?)


「……うん」ニコッ

涙が溢れている笑顔でフルルは僕に笑った。

もう1度ぎゅーして、その場に寝転んだ。

「あはは~……」

フルルは2度寝した……。でも今日は練習ないし。フルルと抱き合いながら寝るのって最高だし……一緒にもう1回寝た。


「……ふわ~」

(……ん)

「あ、グレープも起きた?……あれ~?今もうお昼~?じゃぱりまん食べよ~!んしょんしょんしょ……」

フルルが土を掘る。『んしょんしょんしょ』はスナネコの真似だろうか?

「1個掘れた~!もう1個!」

またフルルは土を掘り始める。

「~♪」

やくそくのうた……鼻歌って部分はこれまたスナネコの真似?

「はいグレープ!あーん♪」

(あ、ありがとう!)モグモグ

「じゃあフルルも……頂きま~す!」モグモグ

幸せそうに食べるフルル……やっぱりフルルは笑顔が1番!

「美味しかった~」ペロリ

(僕も美味しかった!)

「ふわ~……」

フルルが仰向けになる。


「……フルルは今幸せだよ。天然なフルルを受け入れてくれるグレープがいるから……」

僕もすかさず仰向けになり言った。

(……僕もだよ。理由は言わなくても分かる……よね……)


「……えへへ」

まさかこんなただの人気投票、しかも最悪の結果で素晴らしいラブストーリーが出来るとは……まだ完結はしていないけど……

「ふわ~……そろそろまた寝ようかなぁ……お昼寝タイム……おやすみ……」

フルルはすぐ寝てしまった。

……可愛い寝顔。どうしよう、もっと近づきたい。もっと近くに……

「……えいっ」

(ん……!?)


顔が極限まで近づく……嘴に感じたことのあるこの感触……やっぱり……


「……えへへ、寝たフリしたらどうするかなって思って。そしたら近づいてきたからこっちも近づいて1発……///」

(あはは、寝たフリ上手だね~)

「ありがとう♪今度こそ本当のおやすみ♪」

(うん、おやすみ)



僕は出来るだけフルルに寄り添って寝た。

起きて夜御飯を食べた後も少し話して、やっぱりフルルに寄り添って寝た。

フルル……『ヤキソバウメェ!』なんてもう言わないよ……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る