第67話 無言

……どうしようヤキソバウメェ!。

朝起きたが……夢でも語尾が『ヤキソバウメェ!』だった気がするヤキソバウメェ!。

「……ん、おはよ」

フルルが起きるヤキソバウメェ!。

(おはようヤキソバウメェ!。)

「……ねーねーグレープ。フルルにしか声聞こえてないんだから語尾なんてどーでもいいじゃん?」

(いや……僕が考えた罰ゲームだから……仕方なく受けるよヤキソバウメェ!。)

しまった……格好よく言ったつもりなのに『ヤキソバウメェ!』のせいで台無しだヤキソバウメェ!。

「……」

僕を見てフルルは少し考え込んでいるヤキソバウメェ……?

一体何をヤキソバウメェ!……?

「……練習行こ」

僕はフルルについていったヤキソバウメェ!。


……そっか練習かヤキソバウメェ!。

「フルル来たわね!さあ始めるわよ!」


「よしよし!」

「おっ、フルル気合い入ってんな!珍しい!」

「まずは踊りの練習よ!」

あれ……いつものゆるゆるはヤキソバウメェ!……?

フルルの動きがゆるゆるじゃなくてキレキレヤキソバウメェ!……?


「次は歌の練習!『人にやさしく』以外をみんなで歌うわよ!今日は『大陸メッセンジャー』の練習!」

「「「「「Let me fly,fly fly fly, to you Let me fly,flyflyfly」」」」」

「願えばいつだってそばにいる」

「だけど」

「心は近いのに体は遠い」

「だから」

「会えない距離を埋めたくて」

……フルルパート、いつもより上手いヤキソバウメェ!……どうしたんだろうヤキソバウメェ!……?


「そしてソロ曲の練習よ!」

「また会いに行くよ 何度だって きみがくれた夢をこの手に」

やっぱりいつもより張り切ってるヤキソバウメェ!……!何故ヤキソバウメェ!……!

「フルルどうしたんだ?」

「別に?頑張ってるだけかな~」

「そうなのか……」

(嘘……だねヤキソバウメェ!……?イワビーは『練習』と言ってないのに何で分かったのヤキソバウメェ!……?)

「……正解。まあ理由は後で、ね。」

「「「「……?」」」」


「最後、『人にやさしく』の楽器と歌の練習!」

やっぱりフルルのドラムは格好いいヤキソバウメェ!……

「「「「「気が狂いそう」」」」」

ドラム上手いヤキソバウメェ!……やっぱり張り切ってるなぁヤキソバウメェ!……


「……はい、今日はここまで」

あれヤキソバウメェ!……フルル気にしてたらすぐ終わったヤキソバウメェ!……

「……グレープ、こっち」

言われるがままについていったヤキソバウメェ!。

その先は僕とフルルの部屋ヤキソバウメェ!。

励まされるのか?と思ってフルルの言葉を待つが、何故か何も言ってこないヤキソバウメェ!。

しばらくの沈黙が訪れるヤキソバウメェ!。

さすがに気になるから勇気を出して訊いてみるヤキソバウメェ!。

(……どうしたのヤキソバウメェ!……?今日は張り切ってたし、無言じゃんヤキソバウメェ!……)

「……グレープを元気づける為だよ。無言なのは……語尾が嫌そうだったから出来るだけ話させないでいたかったんだ。」

(……!)

フルルは僕を心配してくれていたヤキソバウメェ!……



やっぱりフルルを心配させない為語尾なくそうかなヤキソバウメェ!……?

愛しのフルルの為にヤキソバウメェ!……

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