第64話 酸味

「コウテイが食べてるじゃぱりまんレモン味美味しいね~」

「そうか?良かった。」

コウテイに紹介してもらったレモン味のじゃぱりまん……美味しいらしい。

「そんな果物がいっぱいある場所なら知ってるぞ?」

フルルの尻尾が少し反応する。

「じゃんぐるちh」

「じゃんぐるちほーだね!?行ってきま~す!」ダーーーッ

「やっぱり速いな!……あれ?っていうかじゃんぐるちほーって……」

コウテイが何か言いたそうだがそんなの無視して行ってしまった……


ばすに乗ってじゃんぐるちほー方面へ……

「レモンの他にもいっぱいあるらしいの……あれ……?」

(どした?)

「橙色のも赤色のもあるかも……じゃんぐるも緑色だしどうしよう!」

あ、コウテイが言いたかったことはこれだったのか……?でもね……

(ちょっとくらいなら耐えれるようになったよ)

「へ?本当?」

(本当本当。でもずっと見てるのは無理だから時々休ませてもらうけど……)

「……それでもいいよ~」

っていうか平気になってきたの……としょかんで見た本に載ってたアレをしてもらったからかな……?アレ……キスしたことあるのに緊張するんだよな……


そして着いたじゃんぐるちほー。

「本当に平気……?」

(うん、行こ)

「うん……」

緑色が一面に広がるが……耐えろ自分……

「どこだろどこだろ……みんなに訊こう!」

僕とフルルはフレンズを探すことにした。


そして見つけたフレンズ。

「あ、誰~?」

「ん?私?私はフォッサ……ってあなた!」

「PPPのフルルだよ~。果物がいっぱいなってる所知らな~い?」

「それなら向こうだよ。案内するよ!」

おお……親切……


「うっそうとしてるけど進めば広い所に出て、果物はそこになってるの。」

「へ~!」

(うっそう……緑色……)

「あ……目隠ししよっか」

フルルは目隠しをしてくれた。

とても温かい手……ほんわかする。

緑色を見ず、しばらく経つ。

「あ、もうすぐだよ!」

急に駆け足になった。


「……さあ、着いたよ!」

「手……離していい……?」

(いいよ)

離れていく手。そこから見た光景は……

緑色は緑色でもこの緑色は綺麗だった。ミドリなんかじゃないくらい……

「あ、果物だ~」

でも果物はちょっと……フルルが僕のトラウマの色以外の色の果物を採る。

でも緑色は……

(トラウマ克服……)

「え?したの~?」

(いやでも……じゃんぐるの綺麗な緑色だけ平気になったけど……果物の橙色や赤色とか……他の緑色だとちょっと……)

「そっかぁ……ちょっとずつでいいからトラウマ克服してね♪」ニコッ

(……///)キュンキュン

「ふふ、私も食べようかな?2人の分採ってあげるね。」

フォッサはサクサク果物を採っていく。早い……やっぱり慣れてるのかな?


「採ってきたよ。どうぞ!」


「新鮮~♪頂きま~す♪」モグモグ

思いきりかじりつくフルル。そこから汁が垂れて、フルルの足元に落ちる。

「……ん」

え?あ、僕にくれるってこと……でも『……ん』は反則……///

(……はっ!頂きます)モグモグ

危ない危ない。自分の世界へ行くところだった。

かじりついた瞬間汁が垂れ、酸味が口いっぱいに広がる。

でも……少し甘味もあって、よく味わえる。

「この果物も美味しいよ~」モグモグ

(本当?)モグモグ

『甘酸っぱい』のは最初に食べたのと同じなのに、味は違う……

色々な味が楽しめて……あぁ~とまらない!


「ごちそうさま~!今日はありがと~!じゃあね~!」

「帰りも気をつけてねー!」

フォッサは優しい。けど……僕はフルルの方が好きだな……

そしてばすに乗り、何か知らんが気をつけて帰った。



果物も甘酸っぱいけど……

果物なんかより僕の恋の方が甘酸っぱいんじゃないか?なんて。

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