第60話 元気

「練習開始よ!」

「ロックだロックだー!」

イワビーは相変わらず元気……

「まずは鼻歌で踊りの練習よ!」

「「「「「~♪」」」」」

「イワビー動きすぎよ……」

「うわっ!」


ステーーーン


「イワビー!?」

イワビーが盛大に転んだ……

「言わんこっちゃない……!」

「……」


こうして大空ドリーマーの自己紹介パートに。

「自己紹介いくわよ!プリンセス!」

「コウテイ」

「ジェーン!」

「イワビー……」

「フルル~」

「ちょっと待って?イワビーどうした?」

急に暗くなった……さっきの元気はどこへ……

「……俺ってロック過ぎてみんなに迷惑かけてんじゃねーかって……だから少し落ち着く……」

「そう……」

「プリンセス……いいのか……?」

「な、何で私がイワビーの心配を!」

でもイワビーがこのままって……これどうしよう……


「『人にやさしく』の練習!楽器を用意!」

「「「はい!」」」

「はい……」

やはりイワビーだけ元気がない。

みんな少し楽器をいじるがイワビーのギターは控えめ。

「「「「「気が狂いそう」」」」」

やっぱりギターの元気がない!ドラムは相変わらず上手い♪

「ストップ!イワビーしっかり!どうしたのよ!」

「言っただろ!?ロック過ぎて俺はみんなに迷惑をかけてるんだよ!」

「でもこんなのイワビーじゃないわよ……!」

「でもこっちの方がいい……じゃあもう出てくよ……迷惑をかけたくない……!」

「……」

また喧嘩か……プリンセスとイワビーが仲良しって気付いた頃以来か……

仲直りしてくれればいいんだが……


「……何でよ……イワビー……」

やっぱりプリンセスはイワビーを……

「この前みたいに仲直りしようよ~」

「でもまたひどいこと言って困らせた……同じことが2度よ?許してくれないわよ!」

「逆に許してくれないイワビーを想像出来るか?」

「……はぁ……分かったわよ。行けばいいのでしょう?行けば!ちょうど用事思い出したから行くわよ!」

……素直じゃないなぁ。


「……また同じことの繰り返しか。もういい、プリンセスなんて追いかけてこない。ロックのせいだ。プリンセスと……もっと仲良くなりたかったな……」


タッタッタ


「イワビー!」

「ププププリンセス!?今の聞こえてたか!?」

「何言ってるのよ!そんなことより……ロックは……」

「……。すまん、なくした」ニコッ


「……ロック過ぎて迷惑かけた分は私が補ってあげるから!

あなたがなくしたロックは……私が死ぬ気で探してやるわよ……」


「……!……へへっ、ロックだロックだー!」

「戻ったわね……良かった!だって私は元気なイワビーが好……」

「……へ?」

「……ななな何言わせるのよ!///」

「なっ、俺関係ないだろ!」

「早く帰るわよ!///」プンプン

「えぇ……」


「ただいまー!」

イワビーが跳ねながら帰ってきた。

「イワビー戻ったんだな!」

「良かったです!」

「はいはい!イワビーが戻ったところで練習!


……最近色々あったけど、みんな!『個性は大事』よ!」


「「「「……はい!」」」」



フルルはフルルのままでいてほしい。

僕も僕のまま……ずっとフルルの傍にいるから……

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