個性は大事

第57話 交換

「はぁ……」

プリンセスが少し悩んでいる。どうしたんだ?

「プリンセス~?」

「私……キャラ薄いわよね……」

「へ?そんなことないと思うけど……」

まあしっかり者って感じだよね……

「でもみんなを考えてみて?コウテイはクール、ジェーンは正統派アイドル、イワビーはロック、フルルは天然、グレープはその恋人……私はただみんなをまとめてるだけじゃない!


フルル、あなたが1番キャラ濃いから……1回キャラを交換しましょう!」


「え、え~?」


「プリンセスー!……ロイヤルペンギーン!」

「えーと……フンボルトペンギンのフルルよ!」

違和感!

「じゃぱりまん食べに行くわ!」

あ、キャラは変わってもじゃぱりまんは食べたいんだね……


「わーい!美味しそうね!頂きます!」


もぐもぐ


「美味しいわね♪グレープも食べる?」

(うん!)

プリンセスっぽい……似てる!

「何言ってんだフルル?」

そこにイワビーがじゃぱりまんを食べにやってきた。イワビーは元気だからフルルの次にお腹が空くらしい。

「フルル、プリンセスとキャラ交換したの!イワビーもする?」

「おー!じゃあプリンセスとキャラ交換!モグモグ

……イワトビペンギンのイワビーよ!」

「フンボルトペンギンのフルルだぜー!」


ぶふっっっ!!!


イワビーよ!って!w笑うよこんなん!w

「グレープ……吹かないで頂戴!」

「まあグレープも反省してるしいいじゃねーか♪」

そこの男らしいフレンズ……フルルだよね……?w

「まだ休憩時間だけど戻るわよ!」

「そうだな!」

あ、戻る先にはコウテイとジェーンが……このパターン……


「だぜだぜ♪」

「フルルさん、イワビーさんの真似してるんですか?」

「キャラ交換してるのよ!俺はプリンセスと!」

「面白いな。私はフルル……じゃなくてイワビーと交換してみるよ。」

「私はイワビーさん……じゃない、プリンセスさんと!」

「あれ~?みんな集まってる~?」

あ、プリンセスが戻ってきて……まさか……


「待たせたわね!ジェンツーペンギンのジェーン!」

「コウテイペンギンのコウテイだぜ!」

「あ、イワトビペンギンのイワビーです!はい!」

「プリンセスー!……ロイヤルペンギーン!」

「フンボルトペンギン、フルルだ!」

やっぱり!

「こーゆーの『かおす』って言うんだよねーコウテイ!」

「何でプリンセスはこういうのに詳しいんだー?」

「あははーこれでいいの~これで~」


「……良くないんじゃないかなぁ?」

「え、コウテイキャラは~?」

「コウテイじゃないよ、フルルだよ」

「……何でキャラ戻しちゃったのよ」


「プリンセスにはプリンセスの『個性』があるよ~

キャラが薄いなら濃くなるように努力する。それがアイドルなんじゃない?」


「……!

みんなごめんなさい、キャラ交換はなしよ!」

「あ、ああ!」

「分かりました!」

「OKだぜ!」

こうして入れ替わり騒動は収まった……


プリンセスが立ち直れて良かったが……これフルルのお陰だよね……

隣で寝てるフルル。

(……フルルってすごいね)

なんて言ってもフルルはもう夢の中。この声は届くわけ……

「……えへへ~」

……その声はいつもの天然ボイスだった。プリンセスやイワビーのカケラなんてない……



僕はそのままのフルルが好きだから……

入れ替わるなんてことはもうしないでほしい。

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