第43話 特技
「あー!」
プリンセスが叫び出す。
「最高のステージにしたい……」
「じゃあ特技とかを披露をすれば~?」
「……そうねフルル。みんな!何かいい案が見つかったら教えて!」
急すぎないかなぁ?
「登場のし方は重要じゃないか?」
「そうね……うーん……」
こういう時フルルが……
「じゃあ!」
やっぱり!やっぱりフルルは頭が回る!
「グレープを肩に乗せて~……みずべちほーのフルルー!こっちは相棒のグレープ!」
「グ、グエー!グエー!」
僕は取り敢えず鳴いた。鳴く事は一応出来る。
「……ねえ、これ。」
「ポ●モンじゃないですか……」
「ポケ●ンだとwww ブッフ!w」
イワビーが吹いた。汚いな……それよりポ●モンって何。
「肩以外でどうぞ……」
「小道具使おうぜ!」
「ふむふむ……例えば?」
「石だぜ~!」
「えーと……じゃぱりま~ん!」
「えー……フルグレ同人誌~!」
何かこれ見た事あるぞ!っていうか同人誌2冊に増えてない?
「同人誌が使えるの?っていうかマーゲイって字読めるの?」
「そーゆーの『まじれす』って言うんだよね」
まじれすって何だ……
「ソロ曲も発表したしそれぞれの特技の披露で良くないですか?」
「あ、それいいわね!私は物語のプリンセスになりきれるわ。絵本はいっぱい読んだの!」
「俺はロック!エレキギターも得意だぜ!」
この2人はソロ曲の内容が特技なのか……
「私は泳ぐ事と歌って踊る事です!」
「私は泳ぐ事と誰かを励ます事さ」
この2人はどっちも泳ぐ事とやっぱりソロ曲……
「フルルは~……フルル……は……」
(フルル!)
フルルがしょげる。フルルには特技がないとでも言うのだろうか?
……そんな事ないのに。
「うわあああああ」
「「「「フルル!」」」」
「フルルさん……」
待って……僕が追いかける!例えフンボルトペンギンであるのに加えて老人だから陸上での動きが遅くても……フルルの為なら!
「はぁ……」
(……フルル。)
「グレープ……フルルには特技ないでしょ?」
(んーん……)
「……あるの?」
(あるよ!僕を喜ばせてくれたり場の空気を和ませてくれたり……じゃぱりまんだっていっぱい食べれるじゃん!)
「……!」
フルルは顔を明るくした。良かった……
「やっぱりグレープはフルルの事見ててくれてるね……ありがとう♪」
チュッ
(!!!)
フルルは一瞬僕の頬にキスをしてくれた。
「えへへ。ごめんね、ちょっと試しただけだよ♪」
(え?試したって……)
「グレープは本当にフルルの事見ててくれてるのかなって思って……自分の特技、本当は知ってるよ。嘘ついてごめんね。」
(い、いいよ!)
こうして楽屋に帰り、事情を説明したり練習したりして本番。
今日のフルルは楽しそうだった。
ソロ曲ではとびきりの笑顔だったし、僕と一緒に踊る曲ではこっちに意識が向いていた。
1番楽しそうだったのは特技を披露している時。
フルル特有の天然ボケで僕の
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