第44話 水中

「……」ガクブルガクブル

フルルがさっきから震えている。それほど猛特訓が辛くなってきたのだろう。

「えーと今日は」

「きょおおおおお!」ガクブルガクブルガクブル

フルルは咄嗟にフードを被り僕に隠れ……いや不意打ちっ!///

「……安心して……今日は前より楽よ……」

「……そうなの?良かったぁ……」

フード姿……もっと見たかった……

「取り敢えず外に出ましょう!」

外での練習なのか……


「まずは水に飛び込み……」ガクブルガクブル

プリンセスまで!?何故……ああ、ファーストペンギンいないのか……

「誰か~……」ガクブルガクブル

フード姿!可愛くて飛び込めない!助けて!

「どうしようそうだグレープ一緒に飛び込もう……」ガクブルガクブル

(あ、うん!)


ザパーーーン


ぶくぶくぶく


ザパッ


「平気ー!」

「そう!フルル、グレープ、ありがとう!……スーハー……さあ、行こう!」

「ああ!」「はい!」「おう!」

みんな次々飛び込んだ。


ザパーーーン


「まずは……底まで潜りましょう!」

底まで潜って……一体何をするんだ?


ぶくぶくぶくぶくぶくぶく


「コウテイ相変わらずすご~い」

何かこのセリフ覚えが……

「私も頑張ります!」


ギュイーーーーン


「ジェーン相変わらず速~い」

やっぱりこのセリフ覚えがある!

「もうすぐだぜー!」

「本当ね!」

「コウテイとジェーンだ~」


スタッ


「底にとうちゃーく」

みんな底に辿り着けた。


「さあ、次はここで練習よ!」

「「「「えええええ!」」」」

「踊りづらっ!」

「だからこそよ!ここで練習すると地上で踊りやすいわ。それにいいトレーニングでしょう?」

確かにあまり辛くはない……フルルもちょっと安心している。

「まあ……とにかく水中ここで踊るわ!」

「わ、分かった……」


「「「「「そうさ!誰よりも早く行くんだ FIRST PENGUIN (YEAH)」」」」」

まさにさっきの状態……っていうか『スーハーさあ行こう』とか聞いた事あるなとは思ったがこの歌の1番最初だったのか……

「重い重い!」

「思い思い~?」

「違うぜ……あぁぁ水圧がぁぁぁ……ダンス疲れたぁぁぁ……」

「うーん……ちょっとダンスやめて水中ウォーキングしましょうか」

それも難しいぞ……


「えいしょえいしょ……」

みんなで並んで歩く。少しキツい。

「はぁ……はぁ……もう……良くないか?」

「んー……みんなもう戻る?」

「「「「うん☆」」」」

みんな清々しい返事をした。

「じゃあ戻りましょう……」


「すっげー踊りやすい!」

「でしょう?ライブはもうすぐだし気合い入れていくわよ!」

「ふぁーい」


そしてライブ……

プリンセスがフード姿のフルルを見て思いついたらしいが、フードのある娘はソロ曲にフードを被って出て、すぐ外す……というちょっとしたパフォーマンスをした。

フード被ってもみんな可愛いがフルルしか見れなかったぞ!



寝る時『フード被って』って言ったら遠慮なく被って寝てくれた。

やっぱりフルルは優しいよ。

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