第42話 体力

「ダンス猛特訓よ……!」

プリンセスは更に張り切っている。

「ダンスを上手くするにはトレーニングしないと!外の世界で見つけた『ふっきん』とか『はいきん』をしたり……」

(フルルも外の世界で僕を抱いたよね?)

「んーん?みんな外の世界って行った事ないよー?」

(え?じゃあ何故……)

「外の世界にはもう1人の自分がいるんだってー!その娘と『しこー』やちょっとだけだけど記憶もきょーゆーしてるみたい!」

思考……共有……だろうか?

「その娘にはちゃんと名前があって、フルルの場合『ちくたいくこ』って言うの!実はグレープを抱いたのも『ちくたいくこ』さんなんだよ~!」

(へぇ……)

てっきり僕を抱いたのはこっちのフルルかと……外の世界にももう1人フルルがいるのか……


(……おっと!猛特訓に戻らないと!)

「そーだねー!プリンセスよろしくー!」

「あ、分かったわ!まずは『ふっきん』!」


……これ寝てるだけじゃ?

「みんな私の真似をして!12345678!」

「123……キツいなこれ……」

確かにやってみるとキツい……ただ寝てるだけじゃなかった……

「くー……」

「フルル!?」

本当に寝てるフレンズが1人いるんだが……いや駄目とかじゃなくて……可愛い。

「トレーニング中に寝るとかこの娘本当に天然ね……」


「次は『はいきん』!真似して!12345678!」

「胸が!胸が!」

「そーゆーの『きょにゅう』って言うんだよね」

何それ……?まあ後で聞くか。

「くー……」

そんでまた寝た!?

「……大丈夫かしらこの娘?」

……いや、確かに天然だけど優しいし可愛いし……フルルは最高の彼女だよ……


「さあ、今度はトレーニングをやめてダンスよ!」

みんなでダンスして合わせる。これが難しいんだな……

「ダメダメ!全然駄目!イワビーは早いしフルルは遅い!」

フルル……フンボルトペンギンは本来陸での動きは遅いけど……これくらい出来るよね……?頑張れ!

「はっ!」

「わ、フルルが本気を出した!?」

(フルルすごい!)

「えへへ~!」


「……はぁ……はぁ……もうすぐライブだし休憩するか。」

「ですね……」

「俺もじゃぱりまんと水をー!」

……となるとプリンセスは

「……あ、みんな行くのね?フルルとグレープは行かないの?行かないのなら……」

やっぱり……フルルと2人きりになるからね……

「じゃぱりまん~グレープも行こ~」

(あ、うん!)

おっと予想外。

「行くなら一緒に行きま……いや一緒じゃなくていいわ!2人仲良くどうぞ!」

めっちゃテンパってるじゃん!


もぐもぐ

「……もうライブよ?切り替えなさい……」

「まあこれも体力つける物……だよな……」

「はい!そうですね!食べると元気が出ます!」

「俺ももっと取ってくれば良かったなぁ……」

「それ食べ終われないでしょ……あ!時間よ!みんな行くわよ!」


やっぱりライブ大成功。

やっぱりフルルソロに聴き惚れた。

やっぱりフルルのダンスばかり見てた。

フルル最高ーーー!



「楽しかった~」

こっちはフルルといるだけで楽しいんだぞ!もちろんそっちも同じだよね?

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