第4話 水泳

もぐもぐ

もぐもぐ


「フルル、グレープ、食べ過ぎ……」

馴染んできたからかプリンセスは僕の事も叱るようになった。

悲しいとかじゃない。むしろ馴染めて嬉しい。

「食べ過ぎると太るわよ!少し運動してきなさい!」

「えー?泳げばいいのー?」

「まぁ、そうね……」

「……私も泳ぎたくなってきた」

「私もです!」

「俺も!」

「えっ!?……仕方ないわね。少し休憩しましょうか。」

こうしてみんなで泳ぐ事になった。

なんたってここはみずべちほー。泳げる場所はとても広い。

「私は泳げないので少し仕事してますね」

「マーゲイいつもありがとう!さぁみんな、行くわよ!」


「怖い……」

僕らペンギンは仲間より先に水に飛び込むのが苦手だ。

天敵がいたら食べられちゃうから……

「だ、誰よりもー……早く行くんだー……ファーストペンギーン……」

「誰かファーストペンギンになってくれるフレンズ~?」

(フ、フルルの頼みなら仕方ない!僕が!)


ザパーン


ぶくぶくぶく


ザパッ


僕は手を丸の形にした。

「わーい!グレープありがと~」

こうしてみんな飛び込んだ。


ザパーン


「はぁ、やっぱり水の中は落ち着くわね。」

「フルル陸上では動きが遅いから、水って助かるよ~」

(あれ、僕達水の中で話せてる……)

「サンドスターの影響だって。博士が言ってた」


ぶくぶくぶくぶくぶくぶく

ギュイーーーーン


「えっ何今の!?2つの音が同時に……?」


ギュイーーーーン


「今の音は私です!ジェーンです!泳ぐのが得意なので。」

「ジェーン相変わらず速~い」

「潜っていった方はコウテイさんです!潜るのが得意なので。」

「コウテイ相変わらずすご~い」

「ロックがあっていいな!ジェーンと競争しようかな?」

(フルルはする?)

「グレープがするならする~」

「私はコウテイを待ってるわ」

「じゃあ皆さんあちらの方に……」


ぶくぶくぶく


「あれ?プリンセスだけじゃないか……みんなは?」

「競争しに行ったわよ」

「そうか……私もしてこようかな。プリンセスもおいでよ」

「ええ、行きましょ」


「勝ちました!」

「またジェーンかよ!」

「う~また負けた~」

(大丈夫だよ!僕も負けたから!ジェーンすごい速いよね!ね!)

「……うん」

フルルと僕は同じスピードで泳いでる。だから分かりあえる。

「私も混ぜてくれ」

「私もするわ!」

「いいですよ!……勝つのは私ですけどね」

「お、俺だって!ロックにいけば勝てるぜ!」

「フルルも勝つ~」

(僕も~)


「「「よーいどん!」」」


「疲れたわね」

「皆さんお帰りなさい!」

「競争では負けたけど良い運動にはなった。」

「私全勝です!もちろん良い運動になりました!」

「ロックに泳げて大満足だぜ!」

「フルルはグレープと泳げて嬉し~」

(僕もフルルと泳げて嬉しいよ!)



僕はみんなの個性溢れた泳ぎ方に感動した。

ずっと見てたのはフルルだけどね。

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