第112話 ダークエルフの種族内 楚・漢戦争一時休戦? (11)

 まあ、そんな子房様だが、呂雉様の淡い恋心をタイミング良く見抜いた感じでね。


「呂雉様?」と、声をかけた。


 すると呂雉様は、「何です! 子房?」と、不機嫌な御様子で声を返した。


「呂雉様は、未だしんがりをされるおつもりですか?」


 まあ、子房様は、こんな感じで笑みを浮かべながら、呂雉様に訊ねた。


「……ん? そのつもりですが、子房どうかしましたか?」


 相変わらず不機嫌な御様子の呂雉様は、声の方もね、不機嫌さを荒々している御様子だよ。


 う~ん、でもね? 呂雉様、子房様に言葉を返すと少しばかり悩んだ顔を始めたよ。余りにも子房様がニコニコと自分自身に笑みを浮かべてくるので。


(う~ん、何故張子房は? 妾にこれ程迄に愛想笑いをしてくるのだ? 日頃は劉邦の件があるから、妾とは目も合わせないように知らぬ振りをしているのに? 今日と言うか? 今は妙に妾に対して愛想笑いをしてくる? もしかしたら? 子房も韓信や妾と一緒で劉邦に愛想が尽きたのかも知れん……と、なると? 少し様子を見る事にしてみるか……?)


 と、心の中で呟いたよ、呂雉様は……。


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