「嫌々～、別にお礼はいい……。儂は籍の将として当たり前の事をしたまでだから、気にしなくていい……。それよりも籍よ？」

「ん、何？」

「儂と韓信とではどちらが、籍のお気に入りだ？」

「えっ？あああ、そんな事を俺に今更聞かなくても分かるだろうに……。俺の心の中では羽がいつも一番だよ……」

「そうかぁ～？じゃ、儂は信に対して、やきもちを焼かぬようにしておくよ……」

「えっ？もしかして？羽は、韓信に焼きもちを焼いていたの？」

「ん？あああ、少しはのぅ……。先程から籍は韓信の姿ばかり、自身の目で追っているようだから……」

「あ、ごめんね、羽……。別にそんなつもりはないんだけれど。ついついと戦の戦況の方も気になるから本当にごめん……」

　クスクスと悪ふざけのように訊ねてきた覇王妃様だよ。どうやら余にも籍が、韓信の事を目で追うから、少しばかり嫉妬心が沸いたみたい。

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