第96話 逃げの赤帝? (1)

 でも、直ぐに籍が覇王妃様に謝罪をしたから。意地悪を述べるのはやめて、また籍の頬や耳などに自分自身の艶やかな唇を当てて──甘え始め。


「うん、別にいいよ。もう気にしないから……」


 甘え口調で籍に声を漏らし終えると覇王妃様は、籍の頬や耳に唇を当てるだけでは気が済まぬようになったのだろうか?


 今度は自身の唇を籍の唇へと当てて──深々な接吻を始める。


 う~ん、それも、まるで?


 籍の生気を吸い取るように深々と堪能をし始めた。


 そして淡い空気に包まれる二人だった。




【逃げの赤帝? (1)】




「くぅ、くそぉおおおおおおっ! 韓信あいつめ裏切りおったかぁあああっ!」


「はい、そのようですね……」


「くそ、今迄さんざん可愛がってやったのに……。それにこの戦が終われば、国をやるからそこで暮らせと申してもやったのに、あの恩知らずの韓信が……。絶対に許さぬからな、覚えておれよ……」


 自身の歯を噛みしめながら戦況を見詰め、韓信様の裏切り行為を苦々しく思いながら荒々しい口調で、不満を漏らしているね。劉邦は……。


 そんな不満をあらわにしている様子の劉邦に、張子房は一言だけ言葉を漏らすと。その後は主である劉邦の韓信への不満と愚痴を張良彼女は黙って聞いているようだ。






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