第78話 項籍・項羽と韓信! (47)

 だからその事を知っている韓信様は。


「……えっ? あああ、そうですね……」


 と、言葉を覇王妃様に漏らして──その後は、モニター画面の外にいる、相変わらず落ち着きなく辺りをキョロキョロと見ている籍へと注目をしたのだ。


 確かに覇王妃様が述べている通り、敵の御大将でもある籍は、韓信自分自身を何度も処分をせずに解放をしてくれた。


『多分? 女の身である韓信自分に対して、覇王は邪な想いがあるから解放してくれたのだ』と、韓信様自身は思ってはいるようだ。


 実際籍に束縛をされ捕虜になった時でも。


「覇王様ぁ~、私を縛る紐がきつくて、痛いですぅ~、だからぁ~、覇王様ぁ~、少しばかり緩めてください~、お願いしますぅ~」


 その都度このように籍に甘くて妖艶な声色を漏らしては嘆願していたのだよ。


 だってこのような声色で嘆願をすれば籍は大抵紐を緩める言うか? 束縛から解放をしてくれていたお人好し様だったのだよ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る