第62話 項籍・項羽と韓信! (31)

 この殺伐とした平原に響き渡るぐらに……と、なると? は居ても立っても居られない。


 愛する籍が心配で仕方がないから。


「籍ぃいいいいいいっ! 待っておれぇええええええっ! 今から助けにいくぅううううううっ!」


 再度絶叫交じりの声で、大声を上げながら籍に呼びかけるよ。


 もう、それこそ? 傍から見ても、は。なりふり構わず後退をしようと試みているようだから。


 流石国士無双の名将 と言わざるおえない状態で事がやはり進もうとする。


「羽ぅううううううっ! くるなぁああああああっ! ここは俺が踏ん張り対処するからぁあああっ! お前はぁああああ、韓信の隊を撃破してくれぇええええええっ!」


 韓信との勝負を放棄して迄も、籍の下へと馳せ参じようとしている覇王妃に、籍から『待った!』の声がかかってきたよ。


 籍自身の下へは参じるなとね。


 籍の下に参じるよりも、その場に踏み止まり韓信の隊を撃破しろと声を大にして叫んできた。


 籍自身がこのまま、樊噲はんかい曹参そうしん夏侯嬰かこう えいの隊を一斉に引き受けた状態で対処をするからと。


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