第52話 項籍・項羽と韓信! (21)

 まあ、そんな事を思いながら此方が凝視していると──。


『ドォ~ン!』刹那──。


 今度は夏侯嬰かこう えいの隊に側面を突かれたの隊から。人と人、馬と馬、剣戟とがぶつかり合う何とも鈍い轟音が鳴り響く──。


 それと同時に人馬の断末魔と咆哮も多々聞こえてくるのだ。


 と、言う事だから。青い御旗を振るうの隊が総崩れで、先程舌打ちして苦々しく思い見ていた。


 その女性ひと顔が綻び状御機嫌といきたいところだが……。


 の隊は、逃げる樊噲はんかい と曹参そうしんの隊を無茶な深追いをしてまでの追尾攻撃を続行するような事はしないで。次の攻撃の為に隊を纏めながらの攻撃ぐらいにとどめていたのだよ。


 だから縦長に伸びた自身の隊の手薄な側面を突かれたのではなくて──。


 ある程度は、自身も予測をしていた? 側面への攻撃のようだから。


 自体もグッと、耐え忍び堪え切った為に、最小限の被害で何とか持ちこたえたみたい。

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