〝形態・崩〟の概念体【Faust】


『見ろ、俺を』


《どうだ、私は?》


【そしてどうだ、君は?】


「本当に合っているか?本当に在っているか?本当に逢っているか?その顔は、その姿は、その絆は、その信頼は、その過去は、未来は、現在は!!」


『【《「ほんとうに、お前のものか???」》】』





 正体不明。一見すると男性だが、瞬きした内に女性へと変貌する。乱暴な口調から、急に優しく諭すように喋り、意味不明のことを次々と口にする。

 その姿、その服装、その表情。それらを意識して見ようとすればするほどに、造形は崩れ語調は乱れ表情は一変する。

 それすらも、本当の姿かは定かではない。




   【Gestaltzerfall】


 Faust出現時に展開される現象。これに領域としての効果はなく、ただ『対面するだけ』で概念体としての性能を発揮する。

 この概念体の姿を見た瞬間から全てが崩れる。相手の顔や言葉遣いだけでなく、周囲にいる仲間のこと、成さねばならない目的のこと、なんの為にここへ赴いたのかの理由。その全てが『わからなくなる』。

 大事に思っていることほど真っ先に崩壊していく。なので基本は仲間のこと、恋人のこと、命懸けで挑んだ目的のこと等から順次崩されていく。

 倒さねばならない。そのことすらも、Faustを相手には思い出せなくなる。より正確には、倒す理由がわからなくなる。

 最後には全てが判らなくなり、息の仕方も解らなくなり、生きる方法も分からなくなり、やがて死ぬ。






   『攻略メモ』

 対峙したら負け。相変わらずのクソゲー仕様。

 思考する生命体全てに問答無用で作用するクソ能力。竜王の呼び込んだ概念体三体は元々のクソ仕様に加えて種族・性質を貫通して効果を放つえげつないもの。これに関しては相手が神でも考える頭があるなら全ての防御機構を貫いて崩壊させるのである意味〝罪源〟の概念体よりも悪質。

 対策としてはシンプルに対峙しないこと。遠隔から撃ち殺すか、能力を向けられない距離(Faustの知覚範囲外)から打ち倒すかのどちらかか。

 

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