陸式識勢・和御魂竜殻天将


   陸式識勢ろくしきしせい和御魂にぎみたま竜殻天将りょうかくてんしょう


 日向日和がこの世界に放った六体の式神。この世界に多数存在する竜種への対抗・調査・偽装の為に自前の〝模倣〟の異能を用いて式神へ竜の外殻と性質を付与してある。だが本物の竜種のように人化する能力は不要であるので備えさせておらず、また発声や会話の機能も搭載していない。

 竜、というよりは極東の龍によく似た姿形(大蛇のような体長四十メートルの外観に四足五指と二本の頭角と長い髭)をしているが、同種の竜達からは纏う偽装術式によって自身と同じような姿に映っている。


 それぞれに《ヒ号》、《ナ号》、《タ号》、《ヒ号(二型)》、《ヨ号》、《リ号》の銘を冠されている(銘はそれぞれ右の角に刻まれている)。これは本人の悪ふざけなどではなく、自らの真名を六等分してそれぞれの式神に貸与しているが故にこうなった。


 この世界最大の脅威とする竜種に対して、それぞれが日向日和の分身としての思考判断で対処すると共に、各高位竜種への妨害行為を上位優先事項として入力してある。

 他者に対する淡白、冷淡、無慈悲な彼女の本質をよく反映してあり、利害があれば手を貸し、無益であれば無視し、害敵であればこれを滅ぼす。


 また日和の目や耳としても共有されている。余計な負担と疲労を極力避けるために〝千里眼〟の常時発動を停止した彼女が世界を把握する代替案でもある。





   〝五行咆フィフス・ロアー

 竜殼天将の放つ咆哮ブレス。状況に応じて木火土金水五つの属性を使い分ける。

 五行の相生と相克により基本的には相手より相性差で打ち勝つようには出来ているが、出力自体は竜種平均の少し上程度なので威力によっては押し負ける。




   〝真名解放ネームド・リリース(1/6)〟

 陽向日和の真名を解き放ち、その力の一部を行使する。

 上記の通りそれぞれが六等分されたひとつ分の性能しか有していないので本体が扱う真の解放には及ばないが、それでも威力火力を削ぎ落とし弱体化させる能力は十分に厄介。




   〝竜の鱗鎧ドラゴン・スケイル

 〝模倣〟で付与した竜種の防護能力。これにより易々とは傷つかなくなっている。竜種特効により貫通する。




   〝習合思想概念装甲・式/識シキノ神〟

 複数の道教思想を重複された『しきがみ』という存在に依る概念装甲。通常不可能な式神、その使

 物理的な攻性以外を弾く。デバフはほぼ効かない。これは根源的に神霊の一端に触れている術式である為、付随して神性を纏う。




   〝逝去還元〟

 竜殼天将は倒されるとその全身を紙の塊と化して塵になるが、その際に保有する力を他の天将に再分配する。

 つまりこの六体は数が減れば減るほど残りの個体が強くなる特性がある。当然、真名の効力(その他の威力・耐久力なども)その都度増していく。




   〝陰陽道術・対理法概念結界〟

 流出汚染する他世界の理や法に対する防御術。これは竜殻天将自身だけでなく、領域として敷いて指定した空間内に護法式を展開することも可能。

 しかしながら一体分の結界では長時間の運用は出来ない。




   〝雨乞う竜よまつりしかみよ死に賜えそらへとかえれ

 対竜種特効術式。

 竜殻天将が水の〝五行咆〟により(又は別の要素において)擬似的に雨天を作り出すことで発動条件が満たされる。

 発動時、雨の降る範囲内にいる竜種は強烈な行動制限と能力の大半を縛られる。弱い竜であればこれの発動だけで死に至るが、格が上がれば上がるほど抵抗力は増す。暗黒竜・真銀竜クラスともなれば一時的に身動きが取れなくなる程度。

 この術は極めて高度であり負担も大きい為、一度発動すればその天将は消滅する。

 術の内容に関してはこのような感じ↓

https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054885714804/episodes/1177354054889460727






 とある事情で少し忙しい日和が自分の代わりに夕陽達(ついでにこの世界存続に当たり利になるもの、協力的なもの)を助ける為に作成した竜の式神六機。

 主立って動けない分それなりに力を込めて造られた。故に一体一体はかなり強力。保険で数が減らされても個体値が跳ね上がってなんとかなる設計にした。


 別に夕陽やヴェリテ、エヴレナなどの日和にとってのメインとなる者達だけでなく、この世界を支持する者達(他作者主人公勢)に対しても補助的に立ち回るよう行動理念を立ち上げているので、上空を飛んでいる最中に見かけることがあれば接触を図りにいくこともあるかもしれない。


 本人は今後の進展次第では世界の驚異に対する措置が必要と判断し、遠隔からさらに能力を上乗せさせるつもりでいる。

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