組織『トランプ』 ※追記


 異世界人の古株によって立ち上げられた異世界人の為の相互援助組織。

 強大な力に惑わされ世界を躊躇なく掻き回す異世界人が『異人狩り』と呼ばれる者達に消され始めた段階で危機を察知した当時の異世界人が結成した自衛団。

 異世界人個々の性質によって大雑把に四つの分野に分け、それぞれの性能によって十三の序列を付与した五十二人の一団であるが、現在はその制度が災いしてか序列争いで内部分裂を起こしかけている状態らしい。

 自衛の為に発足した組織ではあるものの、本来の思惑から外れ一枚岩ではなくなったこと、別々の思想による派閥割れが起きたことで五十二席の中にいくつか空席も発生している。

 組織内においては功績を上げた順から十三(K)位、十二(Q)位、十一(J)位、十位となっていき、最下位が一(A)位となるシステムではあるが、組織への貢献=実力差ではない為、力量の差異は序列だけでは判別できなくなっている。





 異世界人にも複数種類があり、内訳に関しては以下の通り。


 ・『転移ムーブ

 数ある方法で異世界に降り立つ者達。

 多くは『(女)神』なる存在に提案・懇願・選定され一騎当千の超常チートを貰い受けている。

 現役学生と中年男性(及び女性)の比率が半々程度で、冒険者となる者や隠遁生活を営む者まで目的や行動理念も様々。




 ・『転生リライフ

 何らかの要因で死を迎えた者が二度目の生を受けたもの。基本的には前世の記憶と経験を引き継いだ状態で異世界に出現する。

 『転生』から派生して『受胎転生』と『受肉転生』とがある。

 前者は異世界人の母体に宿ることで出産という形で現出する。こちらは『異人狩り』の者達から勘付かれにくい状態で年月を経るパターンが多く、長年放置された結果チートの性能が跳ね上がる危険性が高いという理由から迅速な発見と抹殺を『異人狩り』達は求めている。

 後者はある程度の成長を経た若い肉体で現れる。中には生前と同じ姿の場合もあるが、いずれにせよ共通して強力な超常の力を保有していることは間違いない。




 ・『電脳ゲーマー

 ゲームなる手段によって異世界との接点を結んだ者達。

 異世界における電子世界の設定や能力を反映された状態でダイブする。このタイプもそれぞれの異世界ルールに則った姿形・性能を有しているが、種族が大元と異なる事例も確認されており、後述の『別種』との混同がされやすく判別も困難。




 ・『憑依ゴースト

 異世界に元から存在していた生物に乗り移り人格を上書きする者達。それまでと違う言動や行動を取る者がいた場合はこれに該当する可能性がある。

 ただし外見はもちろん内包する気配や性質もそのままなので、異人であると見抜くには相当の技量ないし術式が必要。




 ・『別種アナザー

 異世界に現出した際、元の種族とはかけ離れた存在として産まれ直した者。大半が人族から全く違う種族へと変わる。

 最弱とされる魔物のスライムから、最強とされる魔王・魔神の類まで種々様々な存在へ姿形を変えている為、時として『別種』と別の異世界人同士で争い合う状況も目撃されている。

 極めて稀だが、家や温泉などといった非生物としても現出している事例があるので一際注意が必要なタイプとされている。




 ・『輪廻ルーパー

 異世界人としてのタイプに上乗せされた能力。備わるタイプは転生・転移の異世界人が大半。

 死を拒み、自らの死因を取り除くに足るだけの時間を逆行しやり直すという極めて高性能の『超常チート』。

 これにより自身が勝てないと思われる状況・条件・環境を死をもって避ける傾向にある。

 また、一度負けて殺された相手への対策を万全にして再戦を挑んでくる場合もある為に、たとえその世界の人間にとって初対面だとしても全ての異世界人に対してはこの『輪廻』性質を懸念しながら対応する必要がある。

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