シュテル・フォーゲルハイン


 異世界人絶対殺すマン。

 彼が元居る世界ファウードでは断続的に異世界から転移・転生によって多くの異世界人が出現する。

 それら本来の世界にあってはならない法則や性質を持ち込む者を害悪と定め、『超常チート』によって常識の埒外にある力を振りかざす敵と闘う為だけに技能を特化させた、『異人狩り』と呼ばれるグループの一人。

 灰色の髪、冷徹に細められる瞳は藍がかった黒。歳の頃は二十代前半といった具合で、活動時は黒外套をすっぽり羽織って動くので中身を知る者はほとんどいない。

 武器は短剣を好み、長物を嫌う。業物を持ち歩いていてもチート能力者には意味を成さないことを知っているので、安価な短剣をいくつも腰や外套の内側に所持してほぼ使い捨てとして使用する。

 異世界人に対する特化型として技量を磨き続けていた為、真っ向から強力なモンスターと闘うことは門外漢と嘯く。だが実際の所は逆で、並大抵の者では到底敵わない敵との連戦に次ぐ連戦を勝ち抜き続けているおかげで戦闘経験は豊富。普通に真正面から打ち合っても大体は勝てる。




   ・気配遮断

 名の通り体から放たれる気配の一切を遮断し隠蔽する能力。チート能力者に最も有効なのは暗殺による即殺と知っている異人狩りの面々はこれの習得を必須としている。

 また独断行動を善しとするシュテルはチームで動くことが滅多に無く、それ故に情報収集等も全て自力で行う。気配遮断によって偵察や尾行も難なくこなせるので戦闘面以外でも頼めばそれなりの成果を挙げてくれる。



   ・歪曲の呪い

 シュテル・フォーゲルハインの内に巣食う強力な呪式。本来のあるべき形を大きく歪ませ転化・変革させる体質。チートには及ばないが、彼の世界ではかなり珍しく、また所有したまま存命する彼自体も稀な存在。

 この呪いを利用して、シュテルは自らが習得した技能やスキルを歪ませてまったく異なる方法で運用させる戦法を覚えた。



   ・転移魔術(歪)

 自身や他者を既知の場所へ瞬間移動させる術式だが、歪曲の呪いによって性能は一般的なそれとは異なる。

 触れている物体を視界に映る範囲内の何処かに跳ばす、というのがシュテルの扱う歪んだ転移。これを用いて短剣や武器をチート能力者の首や脳、急所に当たる部分へ送り殺す手法を採る。

 チート持ちはオートで自身を守る防護性能を備えている者が多いが、これはそれらの防御を貫通(正しくは防護の内側へ強引に転移)させる特性があるので非常に有効な手立てとなっている。



   ・透化魔術

 自身の姿を視覚的に消す術式。歪ませていないので本来の性能を発揮するが、それだけしか使えない。

 目以外の方法でなら容易に見つかる。

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