命を繋ぐキナコチャトウ
もうすぐ、暑い夏がやってくる。
まだ4月の終わりだというのに、時折テレビでどこそこが夏日になった、真夏日になったと報じられる。
私は、とかく暑いのが苦手だ。夏になると、すぐに夏バテをしてしまう。
夏バテをすると、食欲がなくなる。なにも食べたくなくなる……。
そんな時に作るのが、「キナコチャトウ」だ。
作り方は簡単。
①材料のきな粉、緑茶の茶葉、砂糖、余裕があれば塩をちょっと、用意する。
②材料を混ぜる。
以上で、「キナコチャトウ」が完成する。
ちなみに、名前は私が考えた。今さっき。
きな粉と茶葉と砂糖が入っているので、キナコ(きな粉)チャ(茶)トウ(糖)である。
茶葉は、本心としては抹茶が良いのだが、お高くて買えない。ので、ティーパックに入っている緑茶を取り出し、入れている。
ところで、一般的にいうと、「きな粉砂糖」はわらび餅やお団子などにつける付加的なもののようだ。
だが、私にとって「キナコチャトウ」は、つけるものでも、かけるものでもない。「キナコチャトウ」は、それ自体を食べるものだ。時にデザートに、時に副菜に、そして時に、主食にもなりうる。
砂糖は炭水化物。きな粉は大豆が原料のタンパク質。さらに緑茶は緑の野菜(っぽいもの)。塩はミネラル。これを食べれば、ご飯と肉をサラダを一度に食べたことになる……ような気がする。
さて、そんな「キナコチャトウ」を、今日も作ってみる。
今日は食欲があるので、デザートだ。
気になるそのお味は……、砂糖が甘い。
あと、嘘と思うかもしれないが、歯ごたえが好きだ。
そんな「キナコチャトウ」には、一つ欠点がある。
それは、もしも咳き込むと……ゴホッ。
バフッ!?
と、きな粉が辺りに舞い散ってしまうことだ。
しかも、粒子の細かいきな粉がよく喉に引っかかるため、咳き込みやすい。
そしてこの料理も、私はよく食べるが、他人に勧めたことは一度もない。おそらく、これからもないだろう。
しかし、私にとって「キナコチャトウ」はサプリメント以上に信頼する栄養補助料理だと確信している。
過信かもしれない。盲信かもしれない。けれども私は、この「キナコチャトウ」に絶大な信頼を寄せているのだ。
これを食べていれば、今年の夏もきっと越せる。
そんな私の、命を繋ぐ、甘い粉。
「キナコチャトウ」ごちそうさまでした。
p.s.口内炎の時に食べると、傷口に塩を塗る(痛い)……。
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