エピローグ

 俺たちは最初の場所、砦の近くの丘陵のふもとへと戻っていた。


 その後、テラの父親の所在は判明し俺の知り合いがそこへ向かって治療をしてくれた。高名な医療法術士だ。多少金はかかったが、まあp・w・コーポレーションが払ったようなものだから気にならない。おかげで彼は記憶を取り戻し現在はここへ向かっているという。

 俺は日課である畑の手入れをしていたのだが、そこへテラが走ってきた。

「ハーゲンさん。お父さんから手紙が来たの。今日の夕方の馬車でここに着くんだって。見て見て」

 よほど嬉しかったのだろう。父親からの手紙を俺に見せる。そこには確かに今日の夕方到着すると書かれていた。

 先ほど収穫したトマトをテラへ渡す。

「食べな」

「ありがとう!」

 彼女はガブリとトマトにかぶりつく。

「おいしい!!」

 またかぶりつく。

 採れたての野菜はうまいもんだ。俺も一つ丸ごと口に入れる。瑞々しい果汁が口いっぱいに広がった。


 使用していないはずのゼクローザス補修費用について、中央から文句を言われそうだが、それはどうにでも誤魔化してやる。俺をこれ以上左遷させる場所なんてないんだから気楽なものだ。


 俺は鋼鉄人形の操縦士ドールマスターハーゲン。かつて最強と呼ばれた男だ。

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