第23話 朝チュン。チュンはチュンでも。
昨日はあの後、市内のカラオケボックスで激しい踊りをしながら、青春時代の名曲を熱唱した。家でストレス解消しようにも、
…!
…!!
『マスター!起きてください!マスター!』
「ふぇ?」
『時間です!6時まで5秒前、4、3、2、1、』
『ダイブ確認。』
「…うっ。飲み過ぎた。
『マスター。地下への入り口がなくなっています。』
「…う。あー、わかった、わかった…。」
問題が一つ減ったならいいだろ、今は話しかけるな、
「ぴぃぴぃ。」
ナデシコから優しいハグをされる。
「心配してるのか?ただの、飲み過ぎだ。昼には治る。」
「≪
ハグしてきているナデシコから柔らかい青色の闘気が俺に伝わってくる。愚息が立った!違う!頭痛!吐き気!けだるさ!が吹き飛んだ!これは、性病になってても治ったに違いない!
「うぉ!凄い!
『マスター。病院は明日予約してあります。』
「ぉ、おう…。」
俺の思考が分析されてる、のか?ってか!行くから!忘れてねぇから!
『朝食は軽めのものですが用意しました。』
熱々のお粥に、富山県産ホタルイカと海の幸の瓶詰7800円を贅沢にぶっかけて、フーフーしながら頬張る。ダリアとナデシコには少し冷ましたお粥の上にぶっかけてスプーンの使い方をジェスチャーして渡してやる。
「キ!シャァッ!」
「ぴぃー!」
海産物だからナデシコのほうが喜ぶと思ったが、ダリアがお椀に顔を突っ込む勢いで食べている。
みんなでごはんを食べると元気がでるな。ボッチの俺は人と食事をするのが苦手なんだが、こいつらマナーもへったくれもないからな。
「気分もいいし、オレん家の屋根でのさばっているモンスターを退治するぞ!
『了解しました。』
映し出される映像には奴がいた。巨大な翼を持つ巨大な化け物。青いが、駐車場を潰した奴だ。
「…。わかってる。ドラゴンって奴だろ。俺をビビらせるのも今日までだ!みんな行くぞ!」
「シャアァ!!」
「ぴぃー!」
リビングまで来た俺は、ラジコンのコントローラーから4輪駆動のカートを操って庭の中央で止める。カートから地面にバンカーを打ち込んで固定する。
ウィン…ウィン…
カートにある巨大な銃口を屋根の上にいる青いドラゴンに向ける。
ドババババッッッッッッ――――!!!
「ギャァァァァス!!!!!」
青いドラゴンは水圧に負けて、家の裏に落ちていく。
「フフフ。」
みたか!
ギュオン!
家の裏に落ちたと思った青いドラゴンは、家の周りを旋回するように飛行してきて、ガシィっと鋭い爪でカート掴み上空に舞い上がると庭にカートを叩きつけた。
グシャッ
ドババババッッッッッ
叩きつけらたカートは半壊しながらも、あらぬ方向へと放水を続けている。青いドラゴンは上空にある白い壁ぎりぎりを旋回し、カートに襲いかかる。
「燃えつきろ!!俺の
かざした手から、数十の真っ赤に燃えた石が高速で射出される。
「ギャァァスッ!!」
数十の燃えた石が巨大な羽にあたり、カートめがけて急降下していた青いドラゴンが庭に鈍い音をたてて激突する。
ズシャァァァァ
庭に土煙が大きく舞う。その中を羽の折れ曲がった青いドラゴンが状態を起こして俺を
ズダダダ!!
鶏が走るような動きで俺に向かって突進してくる。ダリアが風の牙で羽を切り裂き、ナデシコが水の玉で肩を砕き、
「ギャァァス!!」
――スパッ
≪抜刀一閃≫
胴と離れた頭が、勢いそのままにリビングの壁に激突する。
―― ワイバーンを倒した ――
―― 山村太郎はLV8に成長した ――
――
―― クイーンビーはLV19に成長した ――
―― ホーンシードラゴンはLVが2上がりLV15に成長した ――
―― 1000kgのトカゲ肉を手に入れた ――
…よし。
「しゃぁ!!!!しゃぁ!!!!俺はドラゴンを倒したぞ!!!!恐怖を乗り越えたぞ!!!!」
『…マスター。ト…カ…』
「
『さ、さすが、私のマスターです!』
「しゃぁーーーー!!!!」
こんな大声で喜びを現したのは、本当に、本当に小さな頃以来だ。
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