第21話 ○体盛り。

 主婦ロボット割烹おたけ。1890万円。毎日、俺に料理を作っている。今日の朝食は高級干物だ。


 「MISAみさコレ・・の空間を、今後、モンスタースポット・・・・・・・・・と呼称しよう。」

 『マスター。了解しました。』

 「モンスタースポット・・・・・・・・・でのことなんだが、モノが軽くなってないか?」

 『その回答はいなです。』

 「だが、大型冷蔵庫を片手で持ち上げたんだぞ?」

 『まさか、マスターともあろうかたが気づいてないとは思いませんでした。モンスタースポット・・・・・・・・・では、レベルが上がると筋力が上がっています。こちらにいる時のマスターでは女性のお姫様抱っこどころか、おんぶもできないのではないでしょうか?』

 おんぶくらいできる!多分…


 「なるほど。それ以外に何か気づいたことはあるか?」

 『はい。解決不能な事案がひとつあります。モンスタースポットとリアルの空間では別物のため物を持ち出せません。それは記録媒体も同様です。ですが、データベースにない情報を認識できます。ダリアやナデシコの色や形、声までも理解しています。』


 「アカシックレコードか…。1000年後のMISAみさなら到達できるかもしれないが、今はやめておけ。」

 『はい。了解しました。』


 …ああ、マダイの干物、うめっぇーーー。


 「話は変わるが、今日は重要な調査**があるから、地下の水たまりに行く。」

 『了解しております。』

 「ダリアやナデシコにも干物を用意してほしいが、ナデシコの分は俺が持っていくから弁当にしておいてくれ。重要な調査**があるからな。」

 『了解しております。』

 「今回はモンスターが攻めてこない限り、倒す必要はない。重要な調査**に時間が必要だ。」

 『ナデシコさんのお尻**すごかったですものね。』

 「…。」

 バレテーラ


 MISAみさが操作しているのだろう。お武が尻を振っている。

 「って、おい!」

 変なからかい方まで覚えやがって!


 食事を終え、貴賓室に移動してダイビング道具を確認する。俺は服を脱ぎ下半身だけダイビングスーツに着替え待機する。


 『6時まで5秒前、4、3、2、1、』


 『ダイブ確認。』

 「MISAみさ。OKだ。」


 MISAみさがモニターを確認して捜索を開始する。クイーンビーのダリアと人魚のナデシコが、きょろきょろソワソワしながら俺の方にやってくると俺の顔を舐めまわす。


 「おい!急にどうした?!もごっ」

 特に口の回りや口の中を舐めまわす。


 ペロペロ

 ペロペロ


 『マスター。干物の匂いに釣られているのではないでしょうか?』

 「干物?そ、そうか。もごっ。ちょ、ちょっと待っれろ。」

 俺はナデシコの弁当用に分けておいた大きめの保存パックから干物を取り出そうと開けたタイミングで二人にのしかかられ、保存パックから飛び出した干物が宙を舞い、上半身裸の俺の上に干物がふりそそぐ。


 「痛っっぅ。」

 顔を上げると、そこにはよだれをたらしている二人の女。床に寝そべるは裸体に食べ物を乗せた男。


 男体盛なんたいもりの出来上がりである。

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