第14話 稀にみる屑。
「随分軽いな。ちゃんと食べてるのか?それとも人魚ってそういうもんか?」
お姫様抱っこしている人魚を安心させるために、適当な会話をし続ける。
キッチンについたので、人魚を流し台に腰掛けさせ、水道水を流してやる。
「ぴぴぃ…。」
どうやらガッカリしている。水道水では不満のようだ。流し台の排水溝にタオルを突っ込んで詰まらせ、ウォーターサーバーにある1本12リットル5000円の高級水を流し台に注いでやる。
「ぴぃぴぃー。」
お気に召したようだ。
「俺はお前を従属させたい。この家の地下には巨大な水たまりがあって、俺はそこを俺は調べたい。」
「シャアッ!!!」
カチ!カチ!カチ!
ダリアが急に俺の頭を抱えるように着地すると口を耳まで割いて、巨大な親知らずのような牙をだして、人魚を威嚇しだした。
「ダリア!どうした?」
カチ!カチ!カチ!
怒りを表しているのは分かるが、なんだ急に?
『マスター。自分以外の
「は?」
いやいや。こいつは虫だし、あいつは魚だろ?何にしても、ボッチの俺にこの状況は難しすぎる。
「よし。こうしよう。ダリア。お前が1番で、人魚は2番だ。」
「?!」
カチチ!カチチ!
余計に怒った。
「ちょ、おい!やめろ!本気で嚙みつくな!」
『マスター。…稀にみる
はぁ?優先順位をつけるのは大事なことだろ?何が悪いんだ。そもそも、
ダリアを落ち着かせようと四苦八苦しているうちに、時間は6時50分になっていた。このまま7時になってしまったら、人魚を手に入れられない。
ダリアを振りほどき、人魚をお姫様抱っこして、風呂場に駆け込みカギをかける。この地域では温泉が湧いているため、家庭にも供給されている。それ故に4、5人は入れそうな無駄に立派な岩風呂がオレん家にはある。
ドボンと人魚を浴槽に落とし、着ている服を脱ぎ捨てる。既成事実を作ってしまえばあとは何とでもなる。ただ、コンドームは全部寝室に置きっぱなしか!
ドン!ドン!ガリガリ!!
ズガガガッッッッッッ!!!
ダリアが扉を攻撃して破壊しているので、寝室に取りに行っている余裕もない、覚悟を決めて浴槽に飛び込み水中で人魚と絡み合う。所詮は魚なんだろう、楽しそうだ。それでいて時折り、背筋がゾクリとするほど妖艶な笑みを見せる。よくよく考えるとお湯に魚を落としたらまずそうだが、大丈夫だったようだ。ダリアが扉に穴をあけて、腕と顔を突き出して、シャアッ!シャアッ!叫びながら俺と人魚を睨むころには行為は済み、体を寄せ合って浴槽に浮いていた。
―― シードラゴンの討伐に失敗した ――
―― シードラゴンは
『マスター。重要なことですから、再度言います。稀にみる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます