第8話 破れた。

 俺は飛んでいる。心も体も。


 ことは昨日のことだった。熊の手を食べたあとから、どうにも、ムズムズして落ち着かない。そのうち、段々と熱を帯びてくる。ヴァーチャルリアルVRによるMISAみさとの行為・・もしたが、全然おさまらないまま、コレ・・に突入する。


 ギラギラの俺は一睡もせずに6時になるのを寝室のベットでまつ。蜂の親玉が顕現けんげんするや否や有無を言わさずにベットに押し倒す。もちろんコンドームは忘れずにだ。最初は優しくして欲しいと甘嚙みしていたが、すぐに優しくない爪で俺をかきむしり始める。


 そして、今、天井に押さえつけられて、情事が終了した。


 ダン!ダン!ダン!


 扉がさきほどから、うるさいが、カギは締めている。蜂の親玉は俺を床に下ろすと、ふわりとベットに移り、うずくまって寝息をたて始める。


 バキ!


 扉の一部が破損する。そこから、真っ赤な光を目から発している泥だらけでボロボロの人間が顔をのぞかせる。


 「うぅぅぅぅ」


 蜂蜜をたっぷり使ったレモネードを飲み、寝室のモニターを確認する。


 ―― 精神力が微弱アップした ――


 『寝室の前に3体、大広間に2体、庭に4体です。』


 「昨日からだいぶ冷静さを欠いてたんだな。武器は全部…リビングに置きっぱなしか。」


 だが、今回の敵は3日目にでた緑色の子供サイズのじじぃと同じで、脅威は感じない。


 「我が呪われしたましいよ肉体に宿やどれ!≪ファイヤータックル≫」


 ボゴォォォォォォン!!!


 俺は上半身に炎をまとったタックルで寝室の扉ごと3体のボロボロの人間を火だるまにして粉砕する。


 「扉を破れるとは感じていたが本当に破れたな。ん?うわぁ!!破れてる!!!」


 激し過ぎたのだろう、コンドームは機能をはたしていなかった。


 「5000円もしたんだぞ?!耐えろよ!くそ!」

 そのままリビングへいき、斧と日本刀を持って大広間に向かう。庭のほうが近いが、庭にいる間に寝室の蜂の親玉に何かあったら責任を感じてしまう。


 大広間にもボロボロの人間がいて、俺を見ると不気味な動きで以外に速い突進をしてくる。1体目の喉に日本刀を突き刺すが、刺されていることを意に介さずにズブズブと突き進んで近づいてくる。その間に2体目のボロボロの人間が緑色の液体を俺に吐き出したので、慌てて突き刺したボロボロの人間をグっと俺との間に割り込ませて盾にする。緑色の液体を浴びたボロボロの人間はぶしゅぅと焦げ臭い不快な匂いとともに溶けて崩れ落ちる。


 「さん?!」


 俺はブンと斧を振るい2体目のボロボロの人間の頭を叩き潰す。


 直ぐにキッチンに向かいお玉とフライパンを手にとり、リビングから庭に向かってフライパンを叩き鳴らす。


 カン!カン!カン!カン!


 うろうろしていた4体のボロボロの人間が、俺をカッと睨んでダッダッダッダッと突進してくるが。


 パン!パン!パン!


 庭に仕掛けた捕縛ネットが4体をまとめて捕縛する。


 あとはリビングから庭に向かってボウガンを打ち続ける。


 「お前ら、、くせぇからもう近寄りたくねぇよ。それにしても、なかなか死なないな?」


 ―― 7体のゾンビを倒した ――

 ―― 7個の毒消し草を手に入れた ――


 「お?おー!これ性病にきくんじゃね?MISAみさ!この草を1つ使って何か作ってくれ!」

 『マスター。了解しました。』

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