ToDoもしくはGTD、そしてパーソナル・デジタル・アシスタント
私自身はどちらかというと
・意思決定に対する姿勢が柔軟で (意志が弱く最後まで初心を貫徹できずに)
・状況の変化を見て素早く対応し (すぐにコロコロと考え方を変えてしまい)
・自分の考えや見方に固執しない (一貫して筋の通った芯が無くて揺れ動く)
タイプの人間である。
だから、長期的な計画を立てて、毎日着実に実行し、ゴールに向けて前進していく、ということには本当に向いていない。
いやもう、卑下でも謙遜でも無く、心の底から向いていない。
朝令暮改上等、石の上には三日もいれば十分で、石橋は落ち始めてから走って渡りきろうとする人間だ。
決してそれを威張っているつもりはないが、そういう人間(私)にとって、意思決定やプロジェクト管理を支援してくれるテクノロジーというのは、本当に欠かせない。
随分古い話になるが、始めて書籍でGTD(GTA〜Grand Theft AutoではなくGetting Things Doneの方)の概念に触れたときは、天の啓示のようにも思えたものだ。
急いで43Folders(物理)を作成して情報カードを購入し、革カバーをつけたロディアのメモ帳を肌身離さず持ち歩いてすべてをメモするようにした。
およそ六ヶ月くらいは天の啓示が生きていたと思う。
やがて天啓のサブスクリプションが切れると、例によって例のごとく、何かを見聞きしてもメモを取らないことが増え、43Foldersも順番を入れ替え忘れたり、中身をチェックし忘れたりするようになっていった。
言い訳は色々とあるのだが、やはり、デジタル情報と紙情報の橋渡しが難しい。
これはGTDに限らず、他のToDo/チェックリスト方式にも共通することだ。
それから、GTDを実践するPC&スマホのアプリケーションというものもいくつか試してみて、その中には、それ以降かなり長い間使い続けることになったものもあったのだが、結局は、シンプルなメモ帳とスケジューラー、ToDoリストの組み合わせに戻っていった。
以前、かなり真剣にその理由を考えてみたことがあるのだが、結局のところ、アプリケーションソフトウェアというものは、その利用目的が『明確で専門的』であるほど、システムとしては使いやすく強固なものになる代わりに、応用性としては自由度の低いものになって行かざるを得ない。
私自身は極端な例だと思うが、なにからなにまで非定型な仕事をしていると、日常が『フォーマットに合わない』事象に満ちあふれてしまう。
これはアプリ側に非があるわけでは無く、情報をフォーマットにあわせて整理することで、見つけやすく、忘れにくく、利用しやすくしているアプリケーション側にとっては、不本意というか間尺に合わない要求が多すぎるのである。
そういうわけで、もっとも『ルーズに使える』デジタル情報整理アプリケーションとして、スマホに連動できて階層整理のできるメモアプリ、スケジューラー、ToDoリスト、に落ち着いてしまった。
とりあえず今は、これと紙の手帳の合わせ技でしのぎ、いずれ、ちゃんとしたAIによる本物の『デジタル・パーソナル・アシスタント』が登場するのを待っている今日この頃だ。
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< 音声インターフェースを持つ単なるチャットBOTアプリを「AI」と呼ぶのは個人的には寂しい。>
< ちなみに、チェックリストの効能については、「あなたはなぜチェックリストを使わないのか?」(アトゥール・ガワンデ著)という本が簡潔かつ秀逸。
きちんとした研究成果をまとめたものでは無く、あくまで著者個人の経験と所感を記しただけの軽いものだが、「なぜのかタイトル本」と馬鹿にできない内容だと個人的に思う。もちろん、原題は「なぜ〜のか」ではなく、この酷いタイトルは日本の出版社の責任だ。>
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