第11話 歴史

―今から約6年前、第2王女がおこした反乱により、57番目の女王が死んだ。


その反乱の裏で糸を引いていたのが、〈ヴォルス一族〉だった―。


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『お母様が!? 』


『そうです! 奴等はナナ様の命も狙っています! 早く逃げてください! 』



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―俺たちの親は、第1王女のナナ王女と当時18歳だったナナ王女の娘のレイ様を守りながら、必死で戦った。



―ヴォルス一族は、父親のヴァン、母親のヴェロニカ、息子のヴァシーに、双子の娘のモモとミミ、5人の一族だった。


それぞれが特殊な力を持っていて、戦った俺たちの親は、ほぼ戦死したんだ。


そして、約5ヶ月続いたこの反乱は、第2王女の戦死とヴォルス一族を捕まえたことにより、終わった。


そのすぐ後、ナナ王女が58番目の女王になった。



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『『ばんざーい! ナナ女王ばんざーい! 』』



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それから約1年後。


ある人物が手助けしたことにより、ヴォルス一族に脱獄されてしまう。


脱獄したヴォルス一族は、多くの国を滅ぼし、〈ヴォルス〉という、生物兵器を沢山引き連れて、俺たちの国も滅ぼしにきた。


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『なんとしても、この国を守るのです! 』


『『はい! 』』



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俺たちは、その頃に女王直属部隊に配属になったんだ。


みんな、国を守る為に必死に戦った。


だけど、敵の戦力は圧倒的で、仲間も俺たちも、次々に死んでいった。


俺たちが次に目覚めた時、ヴォルス一族は封印され、国には平和が戻っていた。


しかし、女王と光属性の適合者だけの姿がなかった。



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『…お母様は? 』


『申し訳ありません…レイ様…。』



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後に、女王様は力を使い果たし、死亡したと分かり、女王様の娘、レイ様が59番目の女王になった。



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「これが、この国の歴史。」


「…あの、光属性の適合者の人はどこにいったんですか? 」


そう、私が聞くと、みんなはけわしい顔をして黙りこむ。


「逃げたんだよ。」


「おい、焔! 」


「まあ、女王様のおかげでみんな生き返っているはずなのに、行方不明ってことは、そうなるよね。」


「旭まで! 」


「その人、どんな人なんですか? 」


「名前は隼斗はやと。いつもウザいくらい、にこにこしてる馬鹿。」


「そ、そうなんですか…。」


「大丈夫だよ、結希。一応、全力で探してはいるから。」


「は、はぁ…。」

……でも、4年も見つかっていないのなら、これから見つかる可能性は、かなり低そう…。


そうなると、私は帰れるのだろうか。


なにか別の方法を探した方が早いかもしれない…。


[つづく]

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