第2話 目覚めた場所は
ヒューン…ドオォォォン―。
遠くで大砲のような音がする。
私は恐る恐る目をあけた。
私のいる場所は、煙が立ち込め、周りがほとんど見えなかった。
「どこ…? ここ…? 」
さっきまで確かに蔵の2階にいたはず。
なのになぜ、外にいるのか。
そして、手にはやはり、あの首飾りがある。
取り合えず、これは無くしたら大変なので、首につけた。
「誰かいませんかー? 」
取り合えず状況を把握したい。
そんな思いで、叫んでみる。
徐々に煙りもはれてきた。
ザッ、ザッ…ギィー、ガシャン―。
だけど、煙がはれた時に私が見たのは、私に向けられた砲口だった。
しかも、4方向から向けられている。
「えっ…。」
撃ってこないとは思ったけど、やっぱり恐い。
「隊長! 一般人のようです! どうしますか!? 」
いや、どうしますかじゃなくて、やることは1つでしょ。
と、私が心の中でつっこんでいると、
「我が国の一般人ではない。構わん、撃て。」
「はっ! 砲撃用意! 」
そう言って、導火線に火をつけ始めた。
「うそ…でしょ…? 」
私は逃げたい思いでいっぱいだった。
だけど、足がすくんで動くことが出来ない。
しかも、的は1つだというのに、4つの大砲すべてに火をつけている。
「3! 」
私は夢であって欲しいと、頬をつねる。
痛い。
やっぱり現実だ。
「2! 」
ああ、こんな訳の分からない所で私は死ぬんだ。
「1! 」
私は静かに目を閉じた。
「撃て! 」
[つづく]
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